水路沿いに点々とアサガオの花が咲いていました。
色違いの鮮やかな花です。



アサガオとヒルガオは同じような花で紛らわしいですが、同じヒルガオ科でも属が異なり、植物学的にはかなり違いがあります。
『牧野新日本植物図鑑』(1961年)には、アサガオについて次のように書いてありました。
アジアの原産で,最も普通に栽培される一年草である.茎はつる性で逆毛があり,左巻きで他物にまつわり,長さ3m以上になる.葉は互生し長い柄があり,普通は3裂し葉面には毛がある. 夏,葉腋に大形の美しい花を開き,早朝に咲き午前中にしぼむので朝顔という.花は一カ所に1~3個つける.がくは深く5裂し,裂片は細長くとがり,背面に白色の長毛がある.花冠は漏斗状で径10~15cm,大きなものは径23cmにもなり,青紫色.白色.紅色.ふちどりのあるものなど数多い.つぼみは筆頭状で右巻きのひだがある.雄しべは5本,雌しべは1本.果実はさく果で残存がくをつけ,球形で3室あり,各室に種子が2個ずつ入っている. 種子は薬用とし牽牛子という.観賞品として広く栽培され,葉や花に多くの変化改良が加えられている.
・最も普通に栽培される一年草である.
アサガオは一年草、ヒルガオは多年草(宿根草)です。ヒルガオは刈り取っても翌年また生えてくるので、雑草化しています。一方、アサガオは毎年種を蒔く必要があります。(この場所は結実する前に除草されるはずなので、誰かが種を蒔いたのかもしれません。)
・葉は互生し長い柄があり,普通は3裂し葉面には毛がある.



ヒルガオの葉は細長い矢じり形で基部が耳のように張り出しています。
・夏,葉腋に大形の美しい花を開き,早朝に咲き午前中にしぼむので朝顔という.
ヒルガオも早朝に咲きますが、昼間(夕方まで)咲き続けます。
・花は一カ所に1~3個つける.

アサガオは1カ所の葉のつけ根から出た茎(花序柄)が途中で枝分かれし、1〜3個の花を房のようにつけます。
一方、ヒルガオは葉のつけ根から1本の長い花柄がすっと伸び、その先端に1個だけ花を咲かせます。
・がくは深く5裂し,裂片は細長くとがり,背面に白色の長毛がある.


ヒルガオのがくは、大きな2枚の苞葉が覆っているので外側からは見えません。
・花冠は漏斗状で径10~15cm,大きなものは径23cmにもなり,青紫色.白色.紅色.ふちどりのあるものなど数多い.
一方、ヒルガオの花弁は薄いピンク色のみで、大きさも約5cm~6cmと小さく個体差があまりありません。これはアサガオが品種改良を重ねた園芸種なのに対し、ヒルガオは野生種だからです。
・つぼみは筆頭状で右巻きのひだがある.


・雄しべは5本,雌しべは1本.



アサガオは開花する段階で自家受粉が完了する仕組みになっています。
蕾の中では雄しべは雌しべより背が低いですが、開花前に雄しべが急成長します。
狭い蕾の中で、成長した雄しべの先端が柱頭の横を通りすぎる際に、葯が破裂し花粉がこすりつけられます。
アサガオは開花した段階で既に受粉済みとなっているのです。
一方、ヒルガオは自家不和合性を持っており、自家受粉できません。
しかしヒルガオは地下茎で増殖するため、まわりは同じ遺伝子を持つものばかりです。
そのためなかなか他家受粉ができず、ほとんど種ができません。