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キマダラミヤマカミキリ

2016年8月13日

家の外壁にとまっていたカミキリ。
細長い,やや大きめのカミキリです。
翅には,ささくれた樹皮に似た,茶褐色のまだら模様があります。[写真2]

拡大してみると,全身,どこもかしこも黄金色の毛で覆われています。
頭部も毛で覆われていて,[写真6]などは犬の顔に見えますね。
唯一,毛が生えていないのは,頭部の下面だけです。[写真7]
逆に露出した部分が痛々しく感じてしまうくらいです。

上翅のまだら模様は,生えている毛の色に濃淡があるのではなく,光のあたり具合によって,まだらに見えているだけのようです。[写真12]
筆でなでて,毛の向きを揃えてみようと試みましたが,筆でなでたくらいでは毛の向きを変えることはできませんでした。
カミソリで毛を剃ると,淡褐色の地肌が出てきました。[写真14]
地肌には,翅全体に点刻が打たれています。
光に透かすと,透けるくらい,かなり薄い翅です。[写真16][写真17]
点刻は,軽さと強度を両立させるための仕組みなのかもしれません。

図鑑で調べてみると,名前は「キマダラミヤマカミキリ」。
本種の和名はキマダラカミキリ→キマダラ[ヤマ]カミキリ→キマダラ[ミヤマ]カミキリと変遷しているようです。
1956年の北隆館『日本昆虫図鑑』では見出しは「キマダラヤマカミキリ」で,解説に「一名キマラダカミキリという。」とありました。
1984年の『原色日本甲虫図鑑Ⅳ』では「キマダラヤマカミキリ」。
1992年の東海大学出版会『日本産カミキリムシ検索図説』では「キマダラミヤマカミキリ」」。
2007年の北隆館『新訂原色昆虫大図鑑』も「キマダラミヤマカミキリ」となっていました。
現在は「キマダラミヤマカミキリ」が標準和名となっているようです。

『日本産カミキリムシ検索図説』には,キマダラミヤマカミキリについて次のように書いてありました。

体長22~35mm。体は比較的細長く,赤褐色~黒褐色,全体に黄金色系の微毛をビロード状に持つ。前胸背板は,背面が虫食い状で,中央前方に近接した1対とその後側方に1対の隆起があり,さらに正中線中央から後方にかけて広くもりあがる。上翅端は内角が常に刺状に突出するが,外角の形は地域変異がある。成虫はおもに夜間活動し,寄主植物の樹幹や各種広葉樹の樹液,花に集まるほかに,燈火にもよく飛来する。

・体長22~35mm
この個体は体長35mm。[写真3]

・体は比較的細長く,赤褐色~黒褐色
[写真2]

・全体に黄金色系の微毛をビロード状に持つ
[写真4]~[写真13]

・前胸背板は,背面が虫食い状で,中央前方に近接した1対とその後側方に1対の隆起があり,さらに正中線中央から後方にかけて広くもりあがる。
[写真10]
前胸背板が「虫食い状」というのは,ミヤマカミキリ属が「横しわ状」になっていることとの対比です。

・上翅端は内角が常に刺状に突出する
[写真15]

・燈火にもよく飛来する
このところ,朝方,家の外壁の同じ場所によくとまっています。

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