距のないスミレ。石垣に生えていたスミレの仲間ですが,距がありません。
距(きょ)とは,花びらや萼が変化して後に突き出しているものをいいます。 スミレの距は花びらの1枚が袋状になってうしろに突き出しています。距のなかには蜜が入っていて,虫はこの蜜に誘われてやってきます。虫が長い距の奥まで頭を突っ込むことにより,虫の体には花粉が降りかかることになります。
こうした虫媒花としての巧妙な仕組みを備えているにもかかわらず,スミレの花が結実することはほとんどないそうです。スミレの種は,閉鎖花という開かない花のなかで自家受粉することによって,作られます。
スミレの語源には,墨入れ説,相撲取り草説などいくつかありますが,いずれも距のある独特の形に由来しています。
この距のないスミレ,名前を調べたのですが分かりませんでした。