見慣れない花が咲いていました。青い小さな,キュウリグサのような花が集まって,包葉に包まれています。
いくつかの図鑑で調べたのですが,載っていませんでした。こういった場合,外来植物を疑うべきです。
全国農村教育協会の「日本帰化植物図鑑」を探してみると,ありました。
これは「ノジシャ Valerianella olitoria 」です。
『地中海の島部原産で,ヨーロッパ,アメリカ,オーストラリアなどで野菜として栽培され,また帰化している越年生草本。』
『初夏に,茎の先に,直径1.5mmほどの淡青色の5裂した筒型の花を10~20個固めて着ける。
17世紀以降,ヨーロッパでサラダ用野菜として栽培化され,日本にも明治初年に導入されたが,余り定着せずに,各地で散発的に帰化状態にある。』
保育社「原色日本帰化植物図鑑」(1976年)には次のように書いてありました。
『欧州原産 。明治の初期に入ったものと思われ,いま全国的に広がっているがあまり多くない。大沼は”此草ヲトリドイツ人ハ冬春ノ節油ト酢トヲ交ゼ生食スト云ウ”と記し,欧州ではサラダ用に栽培される。』
生食できるようです。普通,野菜は花の咲く前に収穫するでしょうから,今の時期に食べておいしいかどうかはわかりません。葉を10枚ほど,ドレッシングをかけて食べてみました。おいしい。これは野草ではなく野菜です。茎が伸びる前のロゼット状の時期なら,もっと野菜らしかったと思います。
ただロゼット状の時期に採取するとして,葉だけを見て他の雑草と見分けられるかどうかは難しいところです。生えている場所を覚えておかなければなりません。しかし,そんな苦労をしなくても,マーシュとかコーンサラダといった名前で種が売っているみたいなので,育てるほうが簡単かも。