ツタバウンラン。3番目の写真の左はマツバウンランです。ツーショットが撮りたくて,並べてみました。一緒に生えていることはありません。
どちらも,ウンランの名前がついた外来植物です。同じゴマノハグサ科なのでよく似た花をしています。他のゴマノハグサ科のサギゴケやトキワハゼの花とも似ています。
名前のもとになったウンラン(海蘭)は,海岸の砂地に生える植物なので,この辺りには生えていません。写真でみると,仮面状の花冠に距があるところなど似ています。
ツタバウンランについて,保育社「原色日本帰化植物図鑑」には次のように書いてありました。
『欧州原産。別名ツタカラクサ。園芸植物として大正初年に渡来,ロックガーデン用に植えられる。北海道・本州に野生化し,石垣のすき間などに生えることが多い。種小名ムラリスは「城壁の」の意で,その生態を示すものであろう。』
確かに石垣に咲いていることが多く,近所でみるツタバウンランは,すべて道路わきの石垣から生えています。
花期は春~初夏となっていますが,かなり寒い時期にも花をつけていました。地中海原産なので,もともとは暖かいところに生えているものなのでしょうが,寒さにも強いようです。
花をいじっていて,おもしろいことに気づきました。花の横を押すと,動物が口をあけるように開きます。パクパクと遊べそうです。口をあけると,4本の雄しべと1本の雌しべが見えます。