• エノキハトガリタマムシ
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エノキの葉にできたエノキハトガリタマフシ[写真1]。エノキトガリタマバエによって形成された虫えい(虫こぶ)です。

カミソリで切って,中を見てみました。側壁はけっこう固く,中は空洞になっています[写真2]。
幼虫が1匹入っていました。 蛹っぽい形をしていますが,これが幼虫で,刺激すると動きます。

虫えいは5~6月に葉から脱落し,地面に落ちます。幼虫はそのまま虫えいのなかで来年の春まで過ごし蛹化,羽化します。[写真3]は虫えいが脱落した跡です。

全国農村教育協会「日本原色虫えい図鑑」には次のように書いてありました。
『年1世代。成虫は3~4月に羽化し,新芽に産卵する。5月下旬までには幼虫も虫えいも成熟し,5~6月には虫えいが地上に脱落する。虫えいが脱落した跡は円形の凹みとして残るので,夏でも虫えいのあったことが分かる。幼虫は地上に落下した虫えいの中で翌春まで過ごして蛹化する。』

この虫えいがあるエノキの葉は,水面に張り出した枝についています。
枝の葉には他にもたくさんのエノキハトガリタマフシがついていましたが,脱落した虫えいはことごとく水面に落下するはずです。

試しに1個,虫えいを水面に落としてみました。沈まずに浮いて流されてゆきます。スプートニクに乗せられたライカ犬を連想してしましました。おーい!大丈夫か。