南禅寺参道の松林にアカハツが出ていました。
ハツタケとよく似ています。
「山渓カラー名鑑 日本のきのこ」によると,両者の違いは次のとおりです。
・傘の径,表面
アカハツ…径5~10cm,淡橙黄色~淡橙赤色で不明瞭な環紋があり,湿ったときに粘性がある。[写真1]
ハツタケ…径5~10cm,淡紅褐色,淡黄赤褐色などで濃色の環紋があり,湿れば多少粘性を帯びる。
・ひだ
アカハツ…橙黄色,傷ついた部分は青緑色に染まる。[写真3][写真4]
ハツタケ…淡黄色でワイン紅色を帯び,密。
・柄
アカハツ…長さ3~5cm,傘とほぼ同色で,しばしば浅いくぼみがある。[写真2]
ハツタケ…長さ2~5cm,傘とほぼ同色。
・子実体を傷つけると
アカハツ…橙色の乳液が少量分泌され,しだいにワイン色となる。
ハツタケ…暗赤色の乳液がにじみ出て,やがて青緑色のしみに変わる。
・発生時期,場所
アカハツ…夏~秋,アカマツ・クロマツなどの樹下に発生。
ハツタケ…夏~秋,アカマツ・クロマツなどの林内に発生。
・食感
アカハツ…食。風味はアカモミタケとハツタケの中間的な存在。
ハツタケ…食。肉質はかたいがもろく,口あたりはぼそぼそとしてあまりよくない。しかし大変よい香りがあり,こっくりとしたうま味が出る。
以上をまとめると,ハツタケとの分かりやすい違いとしては,アカハツのヒダはハツタケより明るい色をしている(名前の通りヒダの色が明るいオレンジ色),傘の環状紋がハツタケにくらべ不明瞭というところでしょうか。
アカハツはヒダを傷つけると青緑色に変色しますが,すぐには変色せずゆっくりと30分ほどかけて変色します。
冷蔵庫で保存していると,カビが生えたような色になり,調理する意欲が減退します。