• ススケヤマドリタケ
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毎年同じ場所で見るものの,今まで名前がはっきりしませんでした。
傘は黒くてビロード状,マツの樹下に発生するイグチのなかま。
この条件で図鑑(「山渓カラー名鑑 日本のきのこ」)をいろいろ調べても該当するものがみつかりません。

柄が網目状なので,ひょっとしたらムラサキヤマドリタケかなと思ったのですが,傘の色が違います。
ムラサキヤマドリタケには傘全体が濃紫色をしたタイプもあるのですが,このキノコはどう見ても紫がかっているようには見えません。

保育社「原色日本新菌類図鑑(Ⅱ)」でヤマドリタケ属の検索表を見ると,ぴったりのものがありました。
『傘は濃こげ茶またはほぼ黒色で,初め表面は短密毛がありビロード状。柄は初めはほぼ白~淡黄色,のち赤褐色~暗褐色となり,ほぼ同色の網目でおおわれる
・・・・・・・・・・・・・ススケヤマドリタケ B.aereus.Bull.:Fr.』

図版は載っていなかったので,ネットで検索すると写真がありました。
やはり,このキノコはススケヤマドリタケのようです。

ネット検索するとき,図鑑にも載っていないマイナーなキノコだと思って,期待せずに検索したのですが,意外にたくさんページが表示され,すこし驚きました。割とメジャーなきのこなのでしょうか。
フランスでいうところのセップ,イタリアでいうところのポルチーニは,日本ではヤマドリタケ,ヤマドリタケモドキと,このススケヤマドリタケをさすそうです。
誰も採らずに朽ち果てていますが,高級食材だったのですね。

ネットでいろいろなページをみていて気になったことがあります。
学名を「Boletus hiratsuka」としているものと,「Boletus aereus Bull.:Fr.」としているものがあるのです。
数としては「Boletus hiratsuka」としているものの方が多いようです。
群馬県立自然史博物館のサイトでも「Boletus hiratsuka」としているので,「Boletus hiratsuka」が正しいのでしょうか。