• オオアオイトトンボ
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  • オオアオイトトンボ

南禅寺水路閣近く,土手から突き出た木にとまっていたイトトンボ。

「アオイトトンボ」,「オオアオイトトンボ」かどちらでしょうか。
アオイトトンボは「木立のない開けた止水に多」く,オオアオイトトンボは「周囲に木立のある池沼に発生」するので,見つけた場所からいえばオオアオイトトンボのようなのですが。
写真を拡大して胸の金緑色部分を確認してみました。[写真4]

あまり鮮明な写真ではないですが,[写真4]丸印の部分を見ると,金緑色部分が胸部側面を分かつ線に届いています。
これが届いているのが「オオアオイトトンボ」,届いていないのが「アオイトトンボ」だということです。
生息場所からしても,「オオアオイトトンボ」でしょうか。

「学研生物図鑑 昆虫Ⅲ」には,オオアオイトトンボについて次のように書いてありました。

『前後翅の四角室はほぼ同形,頭の後面は黒緑色。
アオイトトンボに似るがやや大形,未熟なものは肩縫線(けんぽうせん)の上下にわずかに黄色部があり,胸側の金緑斑は上端で後方にのび第2側縫線に達する。
雄の下付器は短くて上付器の内歯にとどかず,細くてくの字形に曲がり先は外を向く。
成熟しても白粉でおおわれない。
雌の産卵器は発達し,第8,9腹節は太くふくらんで,かたい木本植物の組織内に産卵できる。
周囲に木立のある池沼に発生し,羽化後かなり水域をはなれ,木かげで見られる。
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分布:北海道・本州・四国・九州・天草・壱岐。』

ちなみに,アオイトトンボについて次のように書いてありました。
『雌と未熟雄では,翅胸前面中央の背隆線(はいりょうせん)や肩縫線(けんぽうせん)が細く黄色。
雄は成熟すると金属緑色以外の部分が黒くなり,さらに白粉でおおわれる。
胸側の金属緑斑の上端は後方にのびるが第2側縫線にとどかないことが多い。
雄の下付器は長くて上付器の内歯に達し,棒状で先端平たくスプーン状だが内方に曲がることはない。
雌の産卵器末端はほぼ尾端で終わる。
平地の池沼から山地の湿原まで生息地は幅広いが,木立のない開けた止水に多い。
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分布:北海道各地から本州北半ではふつう。本州南半・四国・九州と南ほどまれとなり,からだは大形になる。』