飼育ケースで飼っているアケビコノハの幼虫が蛹になりました。
[写真3]は,アケビの葉を綴って繭を作っているところ。
[写真2]は,できあがった繭。
[写真1]は,繭のなかの蛹。
真っ黒で照りのある体は,すこし不気味です。
頭を左右に振ってよく動くのでなおさらです。
繭を包んでいる葉を剥いでいる時も,中身が動いているので,恐る恐るでした。
まわりの葉をすこし取って,蛹だけを取り出そうとしたのですが,枝を振っても落ちてきません。よく見ると,お尻の部分が葉に固定されていました。
幼虫が静止しているときは独特の奇妙なポーズをとります。
[写真4]では一見,右側が頭に見えますが,左側が頭です。
頭を下げ尾端を持ち上げています。第2・3腹節にある眼状紋と相まって,どこが頭か分からない実に変な生き物に見えます。
幼虫の体色は暗褐色のものと緑色のものがいます。
[写真5]は暗褐色をした幼虫。こちらの体色をしたものの方が多いようです。
暗褐色のものも黒に近い濃い色から,薄茶色まで変化に富んでいます。
幼虫の体色は遺伝によるのものなのか,環境によるものなのかどちらなのでしょうか。
学習研究社「日本産幼虫図鑑」(2005年)には,アケビコノハの幼虫について次のように書いてありました。
『特徴: 幼虫の体は暗褐色。緑色を帯びることもある。第1~3腹節(ふくせつ)を持ち上げて頭部を下げ,尾端を上げる特異な姿勢で静止する。この姿勢をとると,第2・3腹節にある大きな眼状紋(がんじょうもん)が非常に目立つ。老熟した幼虫は食草の葉を綴(つづ)って繭(まゆ)を作り,その中で蛹化(ようか)する。市街地の公園でもみかけることがある。ヒメアケビコノハなど近縁種も似たような幼虫である。
食物: アケビ科(アケビ,ミツバアケビ,ムベ),ツヅラフジ科(アオツヅラフジ),メギ科(ヒイラギナンテン,メギ)。』