• タンキリマメ
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どこからともなく蔓をのばして,ベランダの柵に絡みついていたタンキリマメ。
実が割れて,艶々黒々とした実が露出しています。[写真1]

この艶々とした実は,ロザリオなどの飾りに使われることもあるそうです。
「朝日百科 植物の世界」には次のように書いてありました。
『タンキリマメは,英名を「ロザリー・ビーン(rossary bean)」といい,この仲間のつやのあるきれいな黒,青,赤色などの種子が,ロザリオやネックレス,ブレスレットなどに用いられる。』

[写真2]は,赤く色づきだしたばかりの若い実。(2004年9月21日)
[写真3]は葉。三出複葉で,小葉は倒卵形または倒卵状菱形をしています。
夏に黄色い花を咲かせるそうですが,いつも見逃しています。

牧野新日本植物図鑑(昭和45年)には,タンキリマメについて次のように書いてありました。
『南関東以西のやや暖かい地方の山野にはえる多年生のつる状草本。茎はつる状に長く伸び他物にからみつき,よく繁茂し,葉とともに褐色の毛でおおわれる。葉は互生し,長い柄をもった三出複葉,小葉は倒卵形あるいは倒卵状のひし形,先端は鈍形で急に細くなって短くとがり,基部は広いくさび形で短柄がある,長さ3~5cm,幅2.5~4cmぐらい,両面に特に下面に黄褐色の短い軟毛を密生し,殊に葉脈上にはいちじるしい。また下面には黄褐色の腺点がある。托葉は皮針形で先端は鋭尖形,長さ4~5mmで数脈が走る。小托葉は線形,長さ2~3mm,夏に葉腋から葉よりも短い長さ2~4cmの総状花序を出し,黄色の蝶形花を開く。花序はほとんど無柄。花は長さ8~10mm。がくはつりがね形で先端は5裂し,褐色毛でおおわれ腺点があり,上側の2裂片はやや合一する。旗弁はひろく上部にそりかえって立ち,翼弁竜骨弁は細長い。豆果は長さ1.5cm,幅1cmぐらい,表面はなめらかであるがふちには毛がある。秋に赤く熟して,裂けて2個の黒色の種子を放出する。種子はへそで豆果にうまくつながっている。〔日本名〕痰切豆の意味で,この豆を食べると痰が出るのをなおすといわれている。』