塀にセグロアシナガバチがとまっていました。[写真1][写真2]
越冬前の雌だろうと思っていましたが,雄バチでした。
以前にも同じように塀にとまっているセグロアシナガバチを撮っています。[写真3][写真4](2007年5月5日撮影)
よく似ていますが,写した時期が5月なので,これは越冬した雌バチです。
(雄バチは秋に交尾した後すべて死んでしまいます)
セグロアシナガバチの雌雄の違いについて色々と調べた結果,まとめると次のようになりました。
・雄の顔は白っぽい(灰色)。
・雄の体は黒っぽい。
・雄の腹は,雌より1節多い(7節)。
・雄の触覚は,雌より1節多い(13節)。
・雄の触覚はとがっている。
・雄は刺さない。
調べている時にややこしかったのが,腹節の数え方です。
雄の腹節は雌より1節多いのはわかったものの,雄の腹節の数を7節と書いてあるものと,8節と書いてあるものがあります。
これは,セグロアシナガバチが属する細腰亜目のハチは,腹部の第1節目と第2節目がくびれているため,見かけ上の腹部が第2節から始まっているためです。
千葉県立中央博物館のサイトには次のように書いてありました。
ハチの科名一覧では、まずハチを広腰亜目(ひろこしあもく、こうようあもく)と細腰亜目(ほそこしあもく、さいようあもく)に分けています。広腰亜目のハチは胸部と腹部がほぼ同じ幅でつながっています。これに対して、細腰亜目のハチでは、腹部の付け根がくびれて、大変細くなっています。「ハチ腰」とは、女性のくびれた腰をさす言葉ですね。
さて、このくびれですが、実は胸部と腹部の間がくびれているのではないのです。腹部の大1節と2節の間がくびれているのです。腹部の第1節は胸部と融合してしまい、見かけ上胸部の一部となっています。外見上腹部の第1節と見えるのは実は腹部の第2節なのです。このような状態を正確に表す場合には、胸部と融合した腹部第1節を「前伸腹節」と呼び、腹部第2節以下を「膨腹部」と呼びます。胸部と前伸腹節を合わせたものは「中体」と呼びます。
しかし、一般的には中体を「胸部」と呼び、膨腹部を「腹部」と呼ぶことがほとんどです。図鑑などで「腹部は6節からなる」と書いてある場合には、見かけ上の腹部、正確には膨腹部が6節からなることを意味します。
ハチの胸部と腹部は色々な呼び方がされているようです。
いわゆる胸部=中体節=胸部+前伸腹節(=腹部第1節)
いわゆる腹部=後体節=膨腹部=腹部-腹部第1節(=前伸腹節)