毎年,お彼岸の頃に発生するアミガサタケのなかま。
長年トガリアミガサタケと思っていたのですが,2年前にアシボソアミガサタケではないかと思うようになりました。(→2008年3月26日)
ところが今年,また迷いました。
[写真2]は,同じ場所で採取したものを並べたところ。
大体は5~6cmの高さですが,たまに10cmほどの高さのものもあります。
保育社『原色日本新菌類図鑑(Ⅱ)』によると,アシボソアミガサタケの高さは5cm内外となっています。
10cmというのは,個体差の範囲としては大きすぎないかと思った次第です。
『山渓カラー名鑑 日本のきのこ』(1988年)には,アシボソアミガサタケについて次のように書いてありました。
子実体は高さ3.5~9cm。頭部は円錐状円筒形,先端はやや鋭頭か鈍頭,柄に隔生する。肋脈は縦脈の発達がよい。網目は概して長形をなす。柄は円筒形,頭部より短いかほとんど同長,表面には粒状の鱗被を付着する。白~帯黄色。子のう胞子は楕円形,無色あるいは黄色味を帯びる。胞子紋は黄色。食用となる。春に林内地上に生じる。温帯に汎布。
「高さ3.5~9cm」となっています。
かなり個体差があるのですね。
やはりこれはアシボソアミガサタケのようです。
「表面には粒状の鱗被を付着する」とあるのは,[写真3]に写っている粒々でしょうか。
[写真4]は,半分に切ったところ。
内部は空洞です。
[写真5]は,頭部表面のしわ。
「肋脈は縦脈の発達がよい。網目は概して長形をなす。」
[写真6]は,頭部内側を拡大したもの。