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3日前の夕方,東の空にとても大きな月が出ていました。
まん丸の月です。
夕食の後,月がきれいだったことを思い出して,デジカメで撮ったのが[写真1]です。

国立天文台ホームページの暦要項(れきようこう)で調べてみると,今年1月の望は1月20日6時21分。
1月19日夜はほぼ満月ですね。

昨日の朝,まだ暗い中ジョギングしていると西の空に月が残っていました。[写真2]
まだまだ満月と呼べる丸い形です。

この二つの写真を見比べると,月表面の模様が違うように見えませんか。
これは模様の形が変化したのではなく,月が天空を進むにつれて模様が回転し位置がずれたためです。

矢印の部分がチコ・クレーターと呼ばれる巨大クレーターがあるところで,これを目印に見比べると,月がかなり回転していることが分ります。
月が天空を進むにつれて回転する様子は,丸い形の満月では分かりにくいですが,上弦の月や下弦の月で見るとよく分かります。

上弦の月は,月の出から月の入りまでの間に次のように変化します。
上弦の月
どうして,月は昇るにつれて回転するのでしょうか。
中学の理科レベルの話ですが,少し考えてみました。

上弦の月の場合,月と地球と太陽は次のような位置関係にあります。
上弦の月の位置関係
月は太陽の光を反射して光っているので,当然ながら太陽がある方向の部分が光っています。
上弦の月の場合,地球から見ると太陽の光は真横から当たっているため,丁度半分だけが見えている状態です。

この位置関係で地球が自転すると,月は天空を移動してゆきます。

地球上のA地点では,太陽の光は真上から当たっており,昼の時間です。
その頃,東の地平線上に上弦の月が昇り始めています。
昼の上弦の月
太陽の光は真上から当たっているため,上弦の月の「弦」の部分が下になってます。

B地点は,昼から夜へ移り始める時間帯,夕方です。
夕方の上弦の月
太陽は地平線の西に沈み始め,太陽の光は地平線と平行に当たっています。
月は南の空に高くかかり,西側半分だけの半月です。

C地点では太陽は地球の裏側にあり,夜です。
夜の上弦の月
月は地平線に沈みはじめ,地球の裏側からくる太陽の光をあびて月の下半分が明るくなっています。
上弦の名前どおり,「弦」にあたる部分が上を向いています。

要するに地球が自転しているため,地上で見ていると,時間の経過とともに月を見る角度が変わり,月自体は動いていないのに,あたかも月が回転しながら天球を移動しているように見えるというわけです。