• カンサイタンポポ
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インクラインの土手にタンポポの花が咲いていました。[写真1][写真2]
南向きの日がよく当たる場所です。
落ち葉の下の土に触ってみると,驚くほど暖かでした。
もうそういう季節なのですね。

総苞片が反り返っていないので在来種のタンポポ,カンサイタンポポでしょうか。
しかし,調べてみると,近頃はそう単純な話ではなくなっているようです。

従来,外来種のタンポポと在来種のタンポポの見分けは,総苞片が反り返っているかどうかで判断していました。
反り返っていれば外来種[写真3:下],反り返っていなければ在来種[写真3:上]。
それが,外来種と在来種の雑種化が進み,外見的には在来種に見えるものでも,外来種との雑種であることがあるそうです。
そもそも現在では,セイヨウタンポポとされているものの大部分が雑種なのだそうです。

社団法人 大阪自然環境保全協会のサイトに次のように書いてありました。

○ 現在では、日本の「帰化タンポポ」は、大部分が雑種である。(GOTのアロザイム分析)
・セイヨウタンポポは、1995年の時点ですでにほとんどが雑種性であった。
・アカミタンポポは、1995年には大部分が「真の帰化」であったが、現在では雑種の方が多くなった。
○ 雑種性タンポポと真の帰化タンポポとは、形態的には区別できない。
・おそらく雑種性と推定できるものもあるが、断定はできない。
・すべての資料のアロザイム分析をしなければ、真のタンポポ地図や雑種性タンポポ地図は作成できない。
○ 雑種性帰化タンポポの中には、総ほう片がはっきり反曲しないものがある。
・だれでも容易にニホンタンポポと帰化タンポポ(雑種を含む)とを区別できるという状況は失われた。しかし、目の利く人がみれば、ニホンタンポポと雑種との識別は可能。

従前のように,在来種と外来種(雑種)とを形態的に識別することは困難であるとすると,何かよい識別法はあるのでしょうか。
上記のサイトには,花粉で見分ける方法が記載されていました。

花粉による識別法(花粉検定)は、在来2倍体種の花粉はサイズが均一であるのに対し、3倍体以上のタンポポでは、花粉サイズが不揃いである(森田、1976)ことを利用している。外来種には3倍体と4倍体が知られているので、東京や大阪ではこの方法で在来種と外来種を識別できる。

花粉を顕微鏡で見て,花粉の大きさが揃っていたら在来種,不揃いだったら外来種か雑種ということになります。
(以前に衝動買いした中国製の)デジタル顕微鏡(おもちゃ)で花粉を観察してみました。

[写真4]が,カンサイタンポポと思われるものの花粉。
[写真5]が,雑種と思われる(総苞片が反り返っている)タンポポの花粉。

一目瞭然,[写真5]の花粉が大きさが不揃いなのに対し,[写真4]の花粉は大きさが揃っていますね。

この個体はカンサイタンポポで間違いないようです。