近所の塀にアオスジカミキリがとまっていました。[写真1]
すぐ近くにも,もう1頭とまっています。[写真5]
触角の長さが違うので,短い方[写真1]が♀で,長い方[写真2]が♂のようです。
多くのカミキリムシでは,♀よりも♂のほうが長い触角をもっています。

♂のほうは手の届かない高いところにとまっていたので,♀だけを捕まえました。
指でつかむと翅が柔らかくて,つぶれそうで何ともたよりない感じです。
いつも通り,小さなポリ袋に入れて持ち帰りました。
家について取り出してみると,袋のなかに卵のかたまりが産み付けられています。[写真6]
最初,産み付けられた卵がつぶれてしまったのかと思ったのですが,そうではないようです。
アオスジカミキリは,こういう卵塊の形でネムノキの樹皮に産卵するようです。
孵化した幼虫は,樹皮に穴をあけ樹皮下に潜り込み食害します。

北隆館『日本昆虫図鑑』(1956年)には,アオスジカミキリについて次のように書いてありました。(原文は旧漢字)

体は濃褐色,前背板は中央両側に曲玉状の赤褐色紋を残して他は青緑色に輝き,翅鞘は黄褐で周縁と翅面の中央部を貫く太い縦条が青緑色を呈し,体下は暗赤褐色である。個体間で体長に変異が多いが,一般に雄が小形,体は扁平,頭に粗ぞう点刻を有し,正中部は溝状,触角窩は内側に1個の棘状突起を具え,触角は雄では体長より遥かに長く,雌では少しく短い。柄節は太く,末端に棘状突起があり,第3-5節は極めて粗ぞうで,雄では太くかつ両側に小歯を並列し,第4節がその中で最も長い。前胸は球形で鮫肌状,翅鞘は後方に狭まり,深い点刻と3縦隆を装い,翅端は円い。腿節は扁平で紡錘状をなし,脛節ではやや湾曲する。体長13-32mm。6-9月にかけて出現する普通種で,本州南部から四国・九州・対馬に産し,灯火によく飛来する。又旧北区(満州亜区)・東洋区・オーストラリア区・エチオピア区に跨って広く分布し,幼虫はネムノキの樹幹に穿孔し,外国ではワットル樹・インドキワタ・ピンカドウ・ビルマネムに夫々加害する。

触角の「柄節は太く,末端に棘状突起」がある。
柄節(へいせつ)とは触角の第1節のことで,[写真3]を見ると,第1節が太くて,棘状になった突起があるのがわかります。

触角の「第3-5節は極めて粗ぞう」。
「粗ぞう(米偏に造)」とは日本国語大辞典によると「質があらく手ざわりがざらざらしていること。きめのあらいこと。また,そのさま。」。
触角だけでなく,「前胸は球形で鮫肌状」ですし,[写真3]を見ると全体的に「粗ぞう」ですね。