岡崎疏水のダイサギ。
この場所では冬の間だけ,ダイサギの姿を見かけます。
といっても渡り鳥としてやってくるわけではなく,1月から3月の間,疏水の水位が下がるためです。

ダイサギは水のなかを歩き回って餌を探します。
アオサギが一年中この場所で餌をとっているのに対して,ダイサギは通常の水位では,水の量が多すぎて獲物を捕れないようです。
数日前に水位が元に戻ったため,ダイサギの姿も見られなくなりました。

平凡社東洋文庫『和漢三才図会6』1987年には,ダイサギについて次のように書いてあります。

白鶴子(だいさぎ・ベツホツウ)
俗に大鷺という
一種に大鷺に似てやや小さいものがあり,蹶足(けっそく)鷺という。
『本草綱目』に,「白鶴子は状は白くて鷺のようで,長い喙,高い脚,ただ頭に糸がないだけである。姿標(ようす)は鶴のようである。それで鶴の名を得ている。林に棲み水中のものを食べる。水に近いところに極めて多くすんでいる。人がこれを捕えて食べても味は甚だ佳くない」(禽部,水禽類,□□)とある。
△思うに,白鶴子〔俗に大鷺という〕は鷺より大きく,頭に糸がない。脚は灰黒色。觜は黄色である。

「人がこれを捕えて食べても味は甚だ佳くない」とあります。
コサギやアオサギは美味と書いてあるのですが。
「味は甚だ佳くない」のはダイサギにとっては幸いですね。

[写真4]は,口角と眼の位置関係を示したもの。
よく似たチュウサギは口角と眼とほぼ同じ位置なのに対して,ダイサギの口角は眼よりも後方の位置まで切れ込んでいます。