疏水沿いの道に,クロアゲハが死んでいました。[写真1]
左の後翅がなくなっています。
鳥に襲われたのでしょうか。
胴体は蟻に食いつくされて,空洞になっています。

残っている翅はきれいなので,羽化したばかりだったのかもしれません。

学研『日本産蝶類標準図鑑』(2006年)には,クロアゲハについて次のように書いてありました。

♂♀によって斑紋は明瞭に異なり,♂の翅表はほとんど黒色で,前翅の翅脈に沿う黒条は不鮮明であるが,♀は前翅の地色淡色のため黒条が目立ち,また♂では後翅前縁に横白条があるが,♀にはこれがない。♂では後翅外縁赤色弦月紋の発達は弱いが,♀は一般により強い。 ♀の後翅表における赤色弦月紋の発達程度と青白色鱗の散布程度は個体的変異が多い。

前翅に「黒条が目立ち」,後翅外縁に「赤色弦月紋の発達」が強いので,この個体は♀です。
[写真6]を拡大すると,後翅表に「青白色鱗」が散布されているのがわかります。

クロアゲハの幼虫と蛹→2007年6月26日