カッカッカッ…,キツツキがリズミカルに木をたたく音が聞こえてきます。
音源を捜すと,半分立ち枯れたコナラの幹につかまり,黄緑色の鳥が激しく頭を振っていました。
頭部の赤い色が目立ちます。

家に帰り,図鑑を調べてみると,アオゲラでした。
『山渓カラー名鑑 日本の野鳥』(1996年)には,アオゲラについて次のように書いてありました。

体全体が緑色で腹側に横しまの目立つキツツキ類。日本の特産種で,本州,四国,九州,種子島,屋久島,佐渡島で繁殖の記録があり,普通に見られる。

平地から山地の林で繁殖し,あまり大きな移動はしないが,冬期は市街地近くの雑木林や公園の林などでも姿を見ることがある。アリスイを除き,キツツキ科の鳥は木の幹に縦にとまり,餌を探すことが多い。そのために足指は前後2本ずつ対趾足(たいしそく)になっていて,くさび形の尾羽の羽軸は固く,体を支えるのに役立っている。林の生きた木の幹にくちばしで穴を掘って,5~8個の卵を産み,つがいて交互に抱卵する。主に昆虫やその幼虫を木の幹の樹皮の間からとり出して食べるが,秋冬にはカキやその他の木の実もよく食べる。秋冬は単独またはつがいて生活し,シジュウカラ類の群れと一緒に行動することもある。

・体全体が緑色で腹側に横しまの目立つ
一口に緑色といっても幅が広いですが,草色が近いように思います。
緑色なのに「アオ」ゲラというのは,昔は青という色の範囲に緑色も含んでいたためです。

・日本の特産種
英名も Japanese Green Woodpecker といいます。

・足指は前後2本ずつ対趾足(たいしそく)になっていて
鳥の趾(あしゆび)は,第5趾が退化して,4本の趾を持つのが基本となっています。
鳥の生態によってそれぞれに適応した趾を持っていて,3本の趾(あしゆび)が前を向き,1本の趾が後を向く,三前趾足(さんぜんしそく)が最も多いかたちです。
ニワトリの趾もそうなっていますね。
キツツキ類は木の枝や幹にとまるのに都合のよいように,2本が前方に2本が後方に向いている,対趾足という形をしています。
写真を見ても,確かに前後2本ずつになっています。

・くさび形の尾羽の羽軸は固く,体を支えるのに役立っている
写真を見ると,確かに尾羽で体を支えているのがわかります。
こういうことは,教えてもらわないとなかなか気づかないものです。

・林の生きた木の幹にくちばしで穴を掘って
洞(うろ)のまわりをつついていたので,巣穴を作っているのかなと思いましたが,そうではないようです。

動画で撮りました。

(背後を通る靴音が入っています。誰かが近づいてくるのは分かったのですが,カメラから目が離せませんでした。誰だったのでしょう?)