動物園南の疎水岸にいる,ハクセキレイとセグロセキレイ。
どちらもよく見かけます。
近づくと,セグロセキレイはすぐに飛び立ってしまうのですが,ハクセキレイはなかなか逃げません。

ひょっとしたら,ここのハクセキレイは人から餌をもらっているのかもしれません。
地面にパン屑が落ちていることがあるのです。
逃げるのではなく,妙に寄ってくるような……。

ハクセキレイの分布域が広がり,両種の生息域は重なってきているようです。
『山渓カラー名鑑 日本の野鳥』(1996年)には,ハクセキレイについて次のように書いてありました。

澄んだ声で鳴く,白っぽい顔のセキレイ類。ユーラシア大陸で広く繁殖する。日本でも個体数は多く,主に北日本で繁殖し,本州中部以南で越冬する。近年,繁殖地の南限が下がっており,関西地方まで分布がのびている。また別の亜種ホオジロハクセキレイは,1968年熊本県で初めて繁殖が確認されて以来,西日本一帯に点々と分布を広げている。別亜種タイワンハクセキレイ,シベリアハクセキレイと考えられる個体も旅鳥として観察される。

大阪府下のハクセキレイの繁殖というページには,次のように書いてありました。

近畿では、繁殖期に観察されることは稀にあったが、繁殖はまったく確認されていなかった。ところが、1980年以降近畿地方で次々と、ハクセキレイの繁殖が確認されるようになった。近畿地方の各府県では、兵庫県で1980年に繁殖が確認されたのを皮切りに、1983年に大阪府と三重県で、1995年に和歌山県で、1996年に滋賀県で、それぞれ初めてハクセキレイの繁殖が確認されたと聞く。京都府では1999年頃にようやく繁殖が確認されたという。