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[写真1]2018/8/28
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[写真2]雄性期の花
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[写真3]雌性期の花
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[写真4]雄性期の花
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[写真5]雄性期花の断面
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[写真6]雌性期の花
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[写真7]茎
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[写真8]茎断面
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[写真9]葉柄基部の托葉
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[写真10]葉の状態
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[写真11]鳥足状複葉
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[写真12]葉の表面と裏面
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[写真13]巻きひげ
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[写真14]未熟な果実
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[写真15]未熟な果実
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[写真16]未熟な果実(横断面)
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[写真17]未熟な果実(縦断面)
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[写真18]未熟な種子
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[写真19]蕾
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[写真20]蕾断面
藪を覆ったヤブカラシに,小さな花が咲いていました。[写真1]
よく見ると,花には2種類あります。[写真2][写真3]
4本の雄しべがあるオレンジ色の花と,雌しべだけのピンク色の花。
オレンジ色の花が雄花で,ピンク色の花が雌花だろうと思っていました。
しかし調べてみると違いました。
ヤブカラシの花は,いわゆる雄性先熟の両性花です。
まず先に雄しべが成熟します。
この時,花盤はオレンジ色です。
開花から半日ほどで雄しべと花弁は脱落し,花柱が伸び,花盤の色はピンク色に変化します。
どうして花盤の色は変化するのでしょうね。
単に老化して色が褪せるだけなのか,それとも花粉媒介者にアピールするもっと積極的な理由があるのか。
花穂にはオレンジ色の花とピンク色の花が混在していることから,雄性期,雌性期で色を変える何か戦略的な理由があるような気がします。
平凡社『日本の野生植物』(2016年)には,ヤブカラシについて次のように書いてありました。
畑ややぶにふつうに生え,長く根を引いて繁殖するつる性の多年草。若い部分には粒状の突起毛がある。茎には稜角があり,托葉は卵状三角形で,膜質。葉は互生し,柄があり,鳥足状に配列する5小葉よりなる。頂小葉は長さ1~3cmの柄があり,狭卵形でとがり,長さ4~8cm,波状の鋸歯があり,鋸歯の先は小さな突起に終わる。表面は深緑色で,側脈は6~8対あり,表面ではくぼみ,裏面では隆起する。側小葉は頂小葉より小型で,柄も短い。巻きひげは葉もしくは花序と対生し,先は分枝する。花序は扁平な集散花序で,突起毛がある。花は6~8月に咲き,径5mm。萼片は低い。花弁は4個あり,卵状三角形で長さ3mm,淡緑色,平開し,背面には突起毛があり,先端は僧帽状。雄蕊は4個,葯は長楕円形。花盤は平らに広がり,はじめ紅色,のちに橙色に変わる。子房は1個,花柱は1個,柱状で直立する。液果は球形まれにややだるま形で黒熟する。種子は広卵形で長さ4mm。染色体数2n=40,60。北海道西南部~琉球・小笠原,朝鮮半島・中国・マレーシア・インドに分布する。関東以西に分布する2n=40(2倍体)のものはよく結実するが,近畿以東に分布し東日本に多い2n=60(3倍体)のものは結実しない。
・若い部分には粒状の突起毛がある
花序の所々に,[写真6]のような球状の粒がついています。これが「粒状の突起毛」ではないかと思います。
・茎には稜角があり
[写真7][写真8]は茎の断面。
・托葉は卵状三角形で,膜質
[写真9]
・葉は互生し,柄があり,鳥足状に配列する5小葉よりなる
小葉の数は3枚や4枚のものもあります。[写真10][写真11]
・頂小葉は長さ1~3cmの柄があり,狭卵形でとがり,長さ4~8cm,波状の鋸歯があり,鋸歯の先は小さな突起に終わる
[写真11]
・表面は深緑色で,側脈は6~8対あり,表面ではくぼみ,裏面では隆起する
[写真12]
・巻きひげは葉もしくは花序と対生し,先は分枝する
巻きひげは,途中で何回か,巻の方向が変わります。[写真13]
・花序は扁平な集散花序で,突起毛がある
[写真1][写真6]
・萼片は低い
萼らしきものが見当たりません。花弁とされているものがいかにも萼片っぽいのですが,さらにその下に萼片があるということのようです。
「萼片は低い」がどういう形態を表しているのかよくわかりませんね。『牧野新日本植物図鑑』には「がくは切形」とあります。
[写真5]は花の断面です。花弁の下の少し出っ張ている部分があります。これが萼なのでしょうか。
・花弁は4個あり,卵状三角形で長さ3mm,淡緑色,平開し,背面には突起毛があり,先端は僧帽状
[写真4]
・雄蕊は4個,葯は長楕円形
[写真]
・花盤は平らに広がり,はじめ紅色,のちに橙色に変わる
[写真2][写真3]
・子房は1個,花柱は1個,柱状で直立する
[写真5]
・液果は球形まれにややだるま形で黒熟する。
[写真14][写真15]は未熟な果実。
[写真16][写真17]は断面。
・種子は広卵形で長さ4mm
[写真18]は未熟な種子。3個入っていた。
・関東以西に分布する2n=40(2倍体)のものはよく結実する
自宅周辺のヤブカラシはよく結実します。