歩道の車止めがエノコログサの花穂で覆われていました。
石柱とレンガブロックのほんの少しのすき間に種が定着したのですね。

エノコログサにはアキノエノコログサというものもあります。
アキノエノコログサの花序は大きい分,先が垂れ下がっています。
エノコログサの花序は直立気味です。

トンボの標本を作る際には柔らくて長い腹部を補強するために,エノコログサの茎を挿入します。
その時に初めてこの草をエノコログサというのだと知りました。
エノコロは犬の子の意味で,その穂が子犬の尾に似ているからいうそうです。

エノコログサ
エノコログサ[in岡崎成勝寺町on2022/9/26 ]

『牧野新日本植物図鑑』(1961年)によると,エノコログサについて次のように書いてありました。

2952.えのころぐさ(ねこじゃらし) 〔いね科〕
Setaria viridis Beauv。
日本国内いたる所の平野に普通な一年生草本で高さ40~70cm位。全体が緑色,茎は直立し基部で分枝し,往々節で曲り,下部上部ともに分枝し,細長く平滑,節はやや高くなっている。葉は緑色または線状皮針形で,先は次第に尖り,下部に長い葉鞘を具える。夏,茎の頂に緑色の円柱状円錐花穂を出して一方に傾き,長さは4~10cm位あって,多数の花を密に着けている。 1小枝穂は両全花と不稔花頴とを持つ。小穂は1花からなり,小梗の基部に数本の長い剛毛がある。第1包頴は小さい,第2包頴と護頴はほとんど同形,包頴も護頴も芒はない。第2包頴と護頴は角質である。雄しべ3個, 2花柱のある1子房がある。頴果は楕円形。 〔日本名〕エノコロ草は,犬の子草の意味で,その穂が子犬の尾に似ているからいう。猫ジャラシはその穂で子猫をじゃれさすからいうので,これは東京の方言である。〔漢名〕狗尾草,莠。

エノコログサ
エノコログサ[in岡崎成勝寺町on2022/9/26 ]
エノコログサ(花序)
エノコログサ(花序)[in岡崎成勝寺町on2022/9/26 ]
エノコログサ(花序)
エノコログサ(花序)[in岡崎成勝寺町on2022/9/26 ]

小穂は1花からなり,小梗の基部に数本の長い剛毛があります。2個の白い柱頭が出ています。

エノコログサ(小穂)
エノコログサ(小穂)[in岡崎成勝寺町on2022/9/26 ]
エノコログサ(茎葉)
エノコログサ(茎葉)[in岡崎成勝寺町on2022/9/26 ]
エノコログサ(花序の長さ)
エノコログサ(花序の長さ)[in岡崎成勝寺町on2022/9/26 ]
エノコログサ(小穂)
エノコログサ(小穂)[in岡崎成勝寺町on2022/9/26 ]