珍しくむかごのない綺麗なノビルの花が咲いていると思いました。
細長い葉をちぎるとノビルと同じような匂いもします。

しかし開花時期が違います。
ノビルの花は春に咲くはずです。
花びらにもノビルのような紫色の線がはいっていません。
葯の色も黄色で,ノビルの葯の淡紫色とは異なります。

調べると,これはニラでした。

ニラ
ニラ[ in粟田口山下町 on2022/10/14 ]

『牧野新日本植物図鑑』(1961年)には,ニラについて次のように書いてありました。

3354. にら  〔ゆり科〕
Allium tuberosum Rottl.
山野に自生しているのがあるが多くは畑に栽培する多年生草本で旧大陸の温帯にひろく分布している。全草に特殊のにおいがある。鱗茎は下端に短かい根茎がつづきせまい卵形で,外面は鱗状葉が枯れて残った繊維で包まれている。葉は2列に並び立っていて幅4mmほどの細い線形で扁平,緑色で柔く濃い緑色で秋に葉の間から1本の茎を出し,高さ30~40cmに達し,少し押しつぶされている。その先端に半球状の散形に白花をつける。花は径6~7mmで柄があって少し密生している。花被片は平開し,長楕円状の皮針形で先端は鋭尖し,純白である。雄しべ6個は花被片より少し短かく,基部はひろがるがここに歯はついていない。やくは黄色。さく果は倒心臓形で3片に胞背裂開し, 6個の黒い種子を出す。葉を食用にする。 〔日本名〕ニラは古くミラ(またコミラ)の転じたものといわれている。しかしミラの意味は不明である。 〔漢名〕韮。もと本種にA. odorum L.の学名をあてたが,これは欧州産の別種である。

「先端に半球状の散形に白花をつける。花は径6~7mmで柄があって少し密生している。」

ニラ(花穂)
ニラ(花穂)[ in粟田口山下町 on2022/10/14 ]

「葉は2列に並び立っていて幅4mmほどの細い線形で扁平,緑色で柔く濃い緑色で秋に葉の間から1本の茎を出し,高さ30~40cmに達し,少し押しつぶされている。」

ニラ
ニラ[ in粟田口山下町 on2022/10/14 ]
ニラ(花穂)
ニラ(花穂)[ in粟田口山下町 on2022/10/14 ]

「花被片は平開し,長楕円状の皮針形で先端は鋭尖し,純白である。」

ニラ(花)
ニラ(花)[ in粟田口山下町 on2022/10/14 ]

「雄しべ6個は花被片より少し短かく,基部はひろがるがここに歯はついていない。やくは黄色。」

ニラ(花)
ニラ(花)[ in粟田口山下町 on2022/10/14 ]
ニラ(花)
ニラ(花)[ in粟田口山下町 on2022/10/14 ]
ニラ(花)
ニラ(花)[ in粟田口山下町 on2022/10/14 ]
ニラ(茎)
ニラ(茎)[ in粟田口山下町 on2022/10/14 ]
ニラ(茎)
ニラ(茎)[ in粟田口山下町 on2022/10/14 ]