道脇に,エノコログサの花穂を大きくしたような,黒っぽいブラシのような花穂が並んでいました。
よく見かける植物ですが,今まで名前を調べた事がありません。
調べるとすぐに分かりました。
チカラシバです。
根が土にしっかり生えているため,抜くのに力がいることから力芝というそうです。

チカラシバ
チカラシバ[ in粟田口大日山町 on2022/10/20 ]
チカラシバ
チカラシバ[ in粟田口大日山町 on2022/10/20 ]

『牧野新日本植物図鑑』(1961年)にはチカラシバについて次のように書いてありました。

2950. ちからしば(みちしば) 〔いね科〕
Pennisetum japonicum Trinius.
 原野,路傍,土堤等の日当りのよい草地に多くはえる多年生草本。非常に強いひげ根を地中に下し,ぬくのが難しいほど丈夫な株となる。茎は高さ60~70cm位,細長い円柱形で基部は普通傾上し,葉鞘で包まれている。葉は細長い線形で次第に細まり,幅4~7mm位,根生葉の基部は紫色。秋,普通一株に多数,葉の間より出る真直な茎の頂に黒紫色の円柱形花穂を直立し,穂の長さは17cm位ある。小穂の下,すなわち花梗の頂には多数集まって着く黒紫色の長い剛毛があり,また細毛を密生し,剛毛は2.5cm位の長さがある。小枝穂は1個の両性花と不稔花からなり,小穂は1花からなる。第1包頴は非常に小さい。第2包頴は護頴よりも小さい。護頴は大きく,内頴を包み,包頴も護頴もすべて芒はない。雄しべ3個と雌しべ1個がある。 一変種に花穂が淡緑色のものがあって,これをアオチカラシバ(var.viridescens Matsum.)という。〔日本名〕力芝の意味で,この草は土にしっかりはえるので力強く引いても容易に抜けないのでこういう。路芝は路傍に多いのでいう。

「小穂の下,すなわち花梗の頂には多数集まって着く黒紫色の長い剛毛があり」

チカラシバ
チカラシバ[ in粟田口大日山町 on2022/10/20 ]
チカラシバ
チカラシバ[ in粟田口大日山町 on2022/10/20 ]
チカラシバ
チカラシバ[ in粟田口大日山町 on2022/10/20 ]