フッキソウの花が咲いていました。花なのかどうか一見しただけではよく分からない,不思議な形をしています。よく見ると,花軸の周りに花弁のない雄花と雌花が輪生しているだけなのですが。何か変な感じがするのは,露出した雄しべの花糸がもやしみたいに太くて白いせいでしょうか。見えているものはほとんど雄花で,雌花は花軸基部に少数あります。
![フッキソウ](https://net1010.net/kujoyama/wp-content/uploads/2023/03/p230320-1.jpg)
![フッキソウ(花序基部)](https://net1010.net/kujoyama/wp-content/uploads/2023/03/p230320-2.jpg)
『牧野新日本植物図鑑』(1961年)にはフッキソウについて次のように書いてありました。
1408.ふっきそう(きちじそう) 〔つげ科〕
Pachysandra terminalis Sieb. et Zucc.
北海道,本州,四国の山地の樹の下にはえる常緑の草木状の低木。庭園にうえられることもある。地下茎は横に走り白くて,まばらにひげ根を出す。茎は根茎から傾いて立上り,その下部はしばしば地につく。高さは30cm位になり緑色で,まばらに群生してひろがる。柄をもった葉は断続的に群がって互生し,卵状長楕円形,下部はくさび形,上半部の葉辺にはあらいきょ歯がある。葉質は厚手で表面が濃緑色,裏面は淡緑色である。春から夏にかけて茎の先に直立した短かい花序がつき,時々まばらに分枝する。雄花は密につき少数の雌花は点在している。花は4個のがく片があり花弁はない。雄花には4本の雄しべがあり花糸が白くて大きい。やくは褐色,雌花には2花柱をもった子房があり,これは4室に分れていて各室に1胚珠を含む。果実はさく果。 〔日本名〕富貴草も書祥草もともにこの植物の常緑の薬とこんもり茂る状態から繁殖を祝う意味を表わしている。
・柄をもった葉は断続的に群がって互生し,卵状長楕円形,下部はくさび形,上半部の葉辺にはあらいきょ歯がある。葉質は厚手で表面が濃緑色,裏面は淡緑色である。
![フッキソウ(葉)](https://net1010.net/kujoyama/wp-content/uploads/2023/03/p230320-3.jpg)
・春から夏にかけて茎の先に直立した短かい花序がつき,時々まばらに分枝する。雄花は密につき少数の雌花は点在している。
![フッキソウ(花序)](https://net1010.net/kujoyama/wp-content/uploads/2023/03/p230320-4.jpg)
![フッキソウ(花序)](https://net1010.net/kujoyama/wp-content/uploads/2023/03/p230320-5.jpg)
・雄花には4本の雄しべがあり花糸が白くて大きい。やくは褐色。
![フッキソウ(雄花)](https://net1010.net/kujoyama/wp-content/uploads/2023/03/p230320-6.jpg)
![フッキソウ(雄花・断面)](https://net1010.net/kujoyama/wp-content/uploads/2023/03/p230320-7.jpg)
・雌花には2花柱をもった子房があり,これは4室に分れていて各室に1胚珠を含む。
![フッキソウ(雌花)](https://net1010.net/kujoyama/wp-content/uploads/2023/03/p230320-8.jpg)
![フッキソウ(雌花・断面)](https://net1010.net/kujoyama/wp-content/uploads/2023/03/p230320-9.jpg)
![フッキソウ(柱頭)](https://net1010.net/kujoyama/wp-content/uploads/2023/03/p230320-10.jpg)