町内の道にオオセンチコガネが歩いていました。キラキラとした金属色の体が目立ちます。
金属光沢は地方によって色彩に変化があります。典型的なオオセンチコガネは金赤色あるいは銅赤色だそうです。滋賀県南部,京都府山科盆地南東部,鈴鹿山地には金緑色の個体が見られ,ミドリセンチコガネと呼ばれています。このあたりの個体も緑色がかっています。
翌日,獣糞が散らばっているところにいろんな虫が集まっていて,オオセンチコガネもいました。糞を運んでいる姿を見るのは初めてです。後ずさりしながら,糞をひっぱています。押すのではなく,引っぱるのですね。
オオセンチコガネの肢ががっしりと太く,大きな歯がついているのは,糞を引っぱるためだと思っていました。しかし糞を引っぱる姿を見ると,特に太くて大きな歯のついている前肢は,宙に浮いていて地面をとらえていません。
餌を引きずる際に使うのは主に中肢と後肢で,これらには長い跗節があり,地面をしっかりととらえています。前肢の大きな歯は何か別の用途があるようです。
前脛節の第1外歯が前方に伸びているので,この個体は雄ではないかと思います。
体長17mm。