黒くて細長いハチが死んでいました。結構大きなハチです。
背中にクマバチのような黄色い毛が生えています。

キンモウアナバチ
キンモウアナバチ[ in夷谷町 on2023/8/24 ]

調べると,アナバチの1種であるキンモウアナバチでした。背中の毛を「金毛」と表現しているようです。顔面頭楯にも黄色い毛が密生しています。
北隆館『日本昆虫図鑑』(1956年)には,キンモウアナバチについて次のように書いてありました。

雌體は全體黑色。 翅は黄褐色を帯び外縁に灰色帯がある。 翅脈は黒褐色乃至黄褐色。頭部・胸部及び腹部の基部等には黄褐色の長毛を生じ,顔面頭楯では短いが密生し,前伸腹節では長くかつ密生して全部光澤のある黄褐色を呈する。 前胸背板後縁には黄色の短毛があり光澤を有する。 觸角鞭節端は截断形。上腮は強大。前胸背板の後縁は肩板に接しない。 腹部は紡錘形, 第1節は長く延長して腹柄となる。體長 32mm内外。 雄は雌に較べ多少小形, 體長23mm内外。 前伸腹節の黄毛はやや少い。 クロアナバチに類似するが毛色によって区別は容易である。 本州南部から九州に産し,琉球・台湾まで分布する。

・雌体は全体黑色。

キンモウアナバチ(背面)
キンモウアナバチ(背面)
キンモウアナバチ(腹面)
キンモウアナバチ(腹面)

・翅は黄褐色を帯び外縁に灰色帯がある。 翅脈は黒褐色乃至黄褐色。

キンモウアナバチ(翅)
キンモウアナバチ(翅)

・頭部・胸部及び腹部の基部等には黄褐色の長毛を生じ,顔面頭楯では短いが密生し,前伸腹節では長くかつ密生して全部光沢のある黄褐色を呈する。

キンモウアナバチ(胸部)
キンモウアナバチ(胸部)
キンモウアナバチ(頭部)
キンモウアナバチ(頭部)

・触覚鞭節端は截断形。
截断形とは切断したような形のこと。

キンモウアナバチ(触覚)
キンモウアナバチ(触覚)
キンモウアナバチ(触覚先端)
キンモウアナバチ(触覚先端)

・上腮(じょうさい)は強大
上腮とは口器の上の牙になっている部分。大顎,大腮ともいわれます。巣穴を掘る時に使うようです。

キンモウアナバチ(頭部下面)
キンモウアナバチ(頭部下面)

・腹部は紡錘形, 第1節は長く延長して腹柄となる。

キンモウアナバチ(腹部)
キンモウアナバチ(腹部)