道の隅に,濃い紫色をした花が咲いていました。直径2.5cmくらいある大型のスミレのなかまです。大きなハート形をした葉が目立ちます。高さは10cmほど,地上茎のないタイプです。
名前を調べているのですが,なかなか分かりません。
先ずは,ネットの「日本のスミレ検索システム」で検索してみました。
「・地上茎:なし ・花の色:青紫 ・側弁:有毛 ・葉形:ハート形 ・托葉の鋸歯:縁に毛が生える ・分布:近畿」で検索すると,イブキスミレが該当しました。
しかし図鑑で確認してみるとイブキスミレではありません。外見はよく似ているのですが,花柱の形が違います。イブキスミレの花柱は棒状で柱頭がカギ形に突き出ているのに対して,この個体は花柱上部がカマキリの頭形で柱頭がくちばし状に突き出ています。
その他にもスミレの検索表をいくつか試してみましたが,途中で訳が分からなくなり挫折しました。結局,同定には至らず,不明のままアップしようかと思っていたのですが,根元の根茎状のものを何と表現したらよいのか検索していたとき,アメリカスミレサイシン(ウィオラ・ソロリア)に行き当たりました。
これです!外来種だったのですね。散々迷ったあげく外来種だったという,いつものパターンです。しかも,ウィオラ・ソロリアについては,今までに3回も調べています。花の色が違うのでわかりませんでした。
→2009年4月18日
→2009年4月14日
→2007年4月9日
平凡社『日本の帰化植物』(2003年)には,アメリカスミレサイシンについて次のように書いてありました。
アメリカスミレサイシン (英名)Woolly blue vio-let, Dooryard, Sister violet
Viola sororia Willd.; V.papilionacea Pursh.
庭園や市街地の路傍に生える多年草。根茎はワサビ状に肥厚し,斜めまたは横に伸び,ときに分枝する。花茎や葉は無毛または有毛。托葉は狭披針形で,先は鋭く尖る。葉は卵形~腎形で,縁は波状の低い鋸歯があり,先は鋭形~鈍形,基部は深い心形。花期は4-6月。花茎は葉より高く,長さ5-12cm,先に径2-3cmの青紫色の1花を開く。側弁の基部付近に長さ1mmまたはそれ以上の扁平な毛が密にある。花弁は広卵形で先は円い。距は短く太く,長さ3mmくらい。閉鎖果は長卵形で萼より長い。
・根茎はワサビ状に肥厚し,斜めまたは横に伸び,ときに分枝する
・花茎や葉は無毛または有毛
・托葉は狭披針形で,先は鋭く尖る
・葉は卵形~腎形で,縁は波状の低い鋸歯があり,先は鋭形~鈍形,基部は深い心形
・花茎は葉より高く,長さ5-12cm
・先に径2-3cmの青紫色の1花を開く
・側弁の基部付近に長さ1mmまたはそれ以上の扁平な毛が密にある
・花弁は広卵形で先は円い
・距は短く太く,長さ3mmくらい
萼と付属体の様子
萼(裏面)
雄しべと雌しべ