トベラの花が咲いていました。トベラは雄花と雌花が別々の木に咲く雌雄異株植物です。秋にザクロのように割れた果実を見たことはありますが,雌花はまだ見たことがありません。

トベラ
トベラ[ in岡崎法勝寺町 on2024/5/8 ]

 雌花も雄花も見た目は同じに見えます。どちらにも雄しべと雌しべがあるのですが,雄花の雌しべは不稔で,雌花の葯は退化しています。花を見て,葯に花粉があふれていれば雄花,葯に花粉が全然ついていなければ雌花です。

『日本の野生植物』(2016年)には,トベラの花について次のように書いてありました。

雌雄異株。花序は散房状の集散花序,今年枝に頂生,しばしば数回分枝し,花序柄は長さ5-30mm,微軟毛が密生,花柄は長さ7-13mm,多数個の花が上向きに咲く。萼片は卵形から三角形,先は鋭形,微軟毛が密生し,長さ約3mm,基部は合着する。花弁は乳白色のちに黄変し,倒披針状線形から広線形,先は円形,長さ8-13mm,縁に微毛があり,花冠の下部はやや筒状となり,上部は開出して反り返る。雄花は,雄蕊の長さ6-8mm,花糸は無毛,葯は長卵形で長さ約2.5mm,雌蕊は雄蕊とほぼ同長で,ふつう不稔である。雌花は,雌蕊の長さ6-8mm,子房は狭卵形または楕円形,軟毛が密生,花柱は長さ2-3mm,先端に3裂した柱頭がつき,雄蕊は短く,葯が退化する。

・花序は散房状の集散花序,今年枝に頂生,しばしば数回分枝し,花序柄は長さ5-30mm,微軟毛が密生,花柄は長さ7-13mm,多数個の花が上向きに咲く。

トベラ
トベラ[ in岡崎法勝寺町 on2024/5/8 ]

・萼片は卵形から三角形,先は鋭形,微軟毛が密生し,長さ約3mm,基部は合着する。

トベラ(花)
トベラ(花)

・花弁は乳白色のちに黄変し,倒披針状線形から広線形,先は円形,長さ8-13mm,縁に微毛があり,花冠の下部はやや筒状となり,上部は開出して反り返る。

トベラ(花)
トベラ(花)

・雄花は,雄蕊の長さ6-8mm,花糸は無毛,葯は長卵形で長さ約2.5mm,雌蕊は雄蕊とほぼ同長で,ふつう不稔である。

トベラ(雄花)
トベラ(雄花)
トベラ(雄花・断面)
トベラ(雄花・断面)
トベラ(雄花)
トベラ(雄花)

・雌花は,雌蕊の長さ6-8mm,子房は狭卵形または楕円形,軟毛が密生,花柱は長さ2-3mm,先端に3裂した柱頭がつき,雄蕊は短く,葯が退化する。

トベラ(雌花)
トベラ(雌花)
トベラ(雌花・断面)
トベラ(雌花・断面)
トベラ(雌花)
トベラ(雌花)