歩道に黒色の大きなハチが死んでいました。クマバチのようですが,胸部に黄色の毛がなく全身まっ黒です。
家に持ち帰り調べてみると,タイワンタケクマバチという外来種でした。

タイワンタケクマバチ
タイワンタケクマバチ[ in南禅寺草川町 on2024/5/26 ]

国立環境研究所侵入生物データベースには,タイワンタケクマバチについて次のように書いてありました。

分類群:ハチ目 ミツバチ上科 ミツバチ科
(Apidae, Apoidea, Hymenoptera)
学名:Xylocopa tranquebarorum
英名等:Taiwanese bamboo carpenter bee
自然分布:台湾,大陸中国南部~インド
形態:体長2cm程度のハチ.頭部・胸部・腹部は黒色,翅は褐色.脚に黒色の毛を持つ.
生息環境:枯れた竹に営巣する.竹林,竹材の貯木場,民家・農地などの竹柵などに生息.
生態的特性:林縁部や河川敷のマダケ,農耕地や庭の支柱などの枯竹に直径20~25mm程度の穴をあけて営巣.
国内移入分布:埼玉県,神奈川県,石川県,福井県,山梨県,長野県,静岡県,愛知県,岐阜県,奈良県,三重県,京都府,兵庫県,滋賀県,鳥取県
移入元:大陸中国と考えられている.
侵入経路:輸入された竹材への混入と考えられている.
侵入年代:国内での初記録は2006年,愛知県豊田市にて.

和名に端的に示されているように,台湾原産の竹に営巣するクマバチのなかまのようです。
2006年に初めて侵入が確認されて以降,本州中部を中心に急拡大しています。

・体長2cm程度

タイワンタケクマバチ(♀)
タイワンタケクマバチ(♀)
タイワンタケクマバチ♀)
タイワンタケクマバチ(♀)

・頭部・胸部・腹部は黒色
在来のクマバチ(キムネクマバチ)と同様に,♂の顔面には黄色の模様があります。
この個体の顔面は黄色くなっていないので♀です。

タイワンタケクマバチ(♀)
タイワンタケクマバチ(♀)
タイワンタケクマバチ(♀)
タイワンタケクマバチ(♀)

・翅は褐色
透き通った褐色ですが,角度によって紫色や緑色に輝いて見えます。構造色でしょうか。

タイワンタケクマバチ(翅)
タイワンタケクマバチ(翅)

・脚に黒色の毛を持つ

タイワンタケクマバチ(脚)
タイワンタケクマバチ(脚)