• ヨツスジハナカミキリ
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アジサイの花にきたヨツスジハナカミキリ。

ハナカミキリのなかまは,花の花粉や蜜を食べます。
シロスジカミキリやゴマダラカミキリといった,木や草を食べるカミキリムシは大顎が発達していますが,ハナカミキリ類の大顎は小さく,体もほっそりしています。

ヨツスジハナカミキりには名前のとおり,背中に4本の黄色い帯模様があります。
黒と黄色の縞模様はスズメバチやアシナガバチなどに擬態したものといわれています。
ヨツスジハナカミキリはハチに見間違えることはありませんが,同じカミキリムシのなかまのトラカミキリはスズメバチにそっくりな姿をしているそうです。
そのうえ,動きや飛び方まで似ていているとか。一度みてみたいものです。

擬態といえば,体の色を木の葉や樹皮に似せて体を隠すものを思いうかべますが,逆に危険なものや有毒なものに似せて目立たせる戦略をとるものもいるのですね。(こういった擬態をベイツ型擬態というそうです。)

「学研生物図鑑 昆虫Ⅱ」には,ヨツスジハナカミキリについて次のように書いてありました。
『成虫のからだは黒色で黄金色の微毛でおおわれており,上翅に4条の黄褐色帯がある。雄の後肢の脛節の先端半分は肥大する。上翅の斑紋や色彩は地域的に変化が見られる。成虫は6~8月にあらわれ,ノリウツギ・リョウブ・アカメガシワ・クリ・ミズキ・シシウド・アジサイなどの多くの花に集まることが知られている。』

「黄金色の微毛でおおわれており」というのは,実際に見たときには感じなかったのですが,[写真2]を見ると確かに首筋が黄金の毛におおわれています。

成虫は「多くの花に集まる」となっていますが,ネット上にある,花にきたヨツスジハナカミキリを写した写真は,大半がアジサイの花に来たものです。
とりわけアジサイの花が好きなのか,単にアジサイの花にいるところが人目につきやすのか,どちらでしょうか。