先日のナガオカモノアラガイらしきカタツムリが同じ場所にいました。(→2014年7月10日
今回はじっくりと観察しました。
やはり,これはナガオカモノアラガイで間違いないようです。

殻高は約10mm,殻径は約6mm。[写真3]
横から見ると,殻口が殻高の8割程度を占めています。[写真4]
螺塔部分は非常に小さくて,殻のなかに軟体部を完全に収めるのは,物理的に無理だと思います。

普通のカタツムリは,真夏や冬眠時には殻の中に閉じこもって,乾燥を防いでいるのですが(→夏眠中のカタツムリ),このカタツムリはそれができそうにありません。
京都府レッドデータブックによると,生態的特性として「水田地帯の用水路や側溝など,陸域と水域をつなぐ水際の推移環境(エコトーン)に生息するが,水中に入ることはない。」とあります。
水際に棲むことにより,乾燥を防いでいるのだと思います。

しかし中途半端ですよね。
水の中か,陸上かどちらかに適応する体にしておけば,水際という狭い領域に縛られることもないだろうにと思うのですが。
それがナガオカモノアラガイの生き残る道だったということでしょうか。

殻は非常に薄く半透明です。
殻に模様があるように見えるのは,殻に模様があるのではなく中身が透けて見えているためのようです。

環境省カテゴリーでは「準絶滅危惧種」,京都府カテゴリーで「絶滅危惧種」に指定されています。
写真を撮った後は,元の場所へ放しました。