• サギゴケ
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サギゴケの柱頭運動を試してみました。唇形花冠の上唇をめくると,4本の雄しべと1本の柱頭があらわれます。柱頭はへら形で上下に裂けて,口を開いたような形をしています[写真1]。柱頭を指でつつくと,2~3秒で口が閉じました[写真2]。10分程すると,また開きました。
柱頭運動は花粉を確実に捕らえるための仕組みで,ノウゼンカズラやウリクサ,ミゾホウズキ等でも見られます。
サギゴケが柱頭運動する仕組みは,オジギソウがおじぎをしたり,ハエトリグサが葉を閉じるのと同じです。膨圧運動といわれる,細胞内の液体が増えたり減ったりすることにより片方へまがります。
清水清著「科学のアルバム 植物は動いている」に,オジギソウの膨圧運動について次のように書いてありました。
『主要枕の一つを縦に切ってみましょう。まん中に道管が走り,その上下に液体をふくんだ運動細胞がならんでいます。
指で葉にさわると,運動細胞の中の液体が,上の図のように流れでます。このとき,道管の下の細胞からでる液体の量が,上の細胞からでる液体の量よりずっと多いのです。そのため,下の細胞がしぼみ,葉柄はたれ下がります。ちょうどアコーディオンの下側に力を入れておすと,空気がぬけて,下側の蛇腹がちぢむのによくにています。
流れでた液体が運動細胞内にもどると,葉柄はふたたびおき上がります。』