• ヒルザキツキミソウ
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街路樹の根元にわずかに残った土を覆いかくすように,きれいな花が群生していました。
近づいてよく見ると,ユウゲショウの花にそっくりです。
柱頭が4裂した雌しべや紅色の脈がある花びらなど,ユウゲショウの花をそのまま大きく拡大したような花です。

これはヒルザキツキミソウの花です。
近くに咲いていたユウゲショウの花と並べてみました[写真2]。
並べて見ると,随分花の色の違いが目立ちます。
ユウゲショウの方が小さい分,色が凝縮され濃くなった感じがします。

ヒルザキツキミソウもユウゲショウと同じく,アカバナ科の外来植物です。

全国農村教育協会「日本帰化植物写真図鑑」には,次のように書いてありました。
『北アメリカ原産で世界の温帯域で花卉として栽培されている多年生草本。全体に白色の短毛を密生し,横に走る根茎から多数の茎を出して群生する。』
『花は夜に開花するが,日中もしぼまない。初め観賞用に導入されたが,第二次世界大戦神奈川県などで逸出,野生化した。現在でも日本各地で栽培され同様に野生化したものが見られる。』

保育社「原色日本帰化植物図鑑」には,『日本では種子は熟さない。』と書いてありました。
種子が熟さないのに,野生化しているとはどういうことでしょうか。
人為的に植えられたものが,栽培を放棄された後も,その場所で根茎を伸ばしてじわじわと拡がっているということでしょうか。

そういえばシャガやヒガンバナも,種ができないのに,普通に見られる野草ですよね。