• オオミスジコウガイビル
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インクライン近くの砂利道にオオミスジコウガイビルがいました。
なぞの地球外生物として,一部で都市伝説化している生き物です。
この個体は30~40cmですが,1mに達するものもいるそうです。

平凡社「世界大百科事典」にはコウガイビルについて,次のように書いてありました。
『渦虫(かちゅう)綱コウガイビル科Bipaliidaeに属する扁形動物の総称。頭が半円形で,くびが急に細くなっているようすが,昔の髪にさした笄(こうがい)に似ているところからこの名がある。またヒルという名がついているが,環形動物のヒルとは異なる。体は細長くて扁平。体長はふつう5~10cmであるが,長いものでは80cmにもなる。』

『頭葉部の全辺縁と頚部(けいぶ)の両側に無数の小単眼が並んでいる。口は腹面中央よりやや後方にあり,生殖孔は口と尾端との間に開いている。雌雄同体。森林の石の下や湿気の多い場所にすみ,梅雨のころに道や庭,台所などにも現れる。体から透明な粘液を出しながら移動するのではった道筋が光っている。とくに害を与えるものはない。』

口は当然,頭にあると思っていましたが,お腹にあるようです。
早川いくを著「へんないきもの」には,食事風景について次のように書いてありました。

『食物はミミズやナメクジである。じたばたと暴れるミミズに,別れないワとすがる女のように絡みつき,こんがらがったヒモのようになって相手を拘束すると,腹部にある口から咽頭部を露出させ,消化液で相手を溶かしてすすりあげてしまう。ちなみに口は肛門も兼用している。』

コウガイビルにはいくつかの種類がありますが,特別大きくなるものは外来種のオオミスジコウガイビルです。
平凡社「世界大百科事典」コウガイビルの項の最後に,
『これらのほかに最近,東京都内ではミスジコウガイビルに似ているが,体長が80cmもある種類がときどき出現している。』とあります。
これがオオミスジコウガイビルをさしているものと思われます。

オオミスジコウガイビルは中国南部原産の外来種で,1986年に皇居で見つかったのが日本での最初の記録だそうです。
その後東京を中心に拡がり,現在では日本各地に棲息しています。