• ヤマトシリアゲ
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口吻の長い独特の風貌をしたヤマトシリアゲ(雌)。[写真1][写真2]
この細長い口はどう見ても、何かを吸いとるためにのものですね。
昆虫の死体などの体液を吸うそうです。

シリアゲムシは「尻上げ虫」で、お尻を上げていることに由来します。
雄はサソリのようにお尻を巻き上げています[写真3]が、雌は少し持ち上げている程度です。

[写真4]は初夏の頃のヤマトシリアゲ(雄)。[2004年6月5日撮]
黒い体色をしています。
初夏にあらわれる黒い体をしたものをヤマトシリアゲ,晩夏にあらわれる体がすこし小形で赤褐色のものをベッコウシリアゲと別種に分類されていたこともありましたが,現在は同じ種であることがわかっています。

シリアゲムシ目について,保育社「原色日本昆虫図鑑(下)」には次のように書いてありました。

『完全変態群の中でもっとも早く(二畳j期)地球上に出現し,現生のものも原始的性質を多く保持している。中型で細長く,よわよわしい体をもつ。頭は下の方にクチバシ状にのび,その先にそしゃく型口器をもつ。
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翅は膜質で前後はほぼ同形,同様な脈相をもつ。静止のときは背上にほぼ水平にたたむ。
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♂交尾器は大形で複雑な構造をもち,シリアゲムシ科ではサソリのように背上に曲げる(scorpion-fly)。特化した産卵器はない。
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成虫は小昆虫や傷ついた虫,その屍体を食べ,花に来ることもある。やわらかい植物体を食べることもある。』