• ジョウビタキ
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ジョウビタキの雌が柵にとまっていました。[写真1][写真2]
あたりを見回すくりくりとした眼と小さな嘴が,なんとも愛くるしい表情をつくっています。

ジョウビタキは雄と雌で体の色が違います。
雌は全体的に灰褐色ですが,雄は胸から腹にかけてあざやかな赤褐色をしています。
[写真3][写真4]は今年3月に撮った雄です。

雄の胸から腹にかけて広がった鮮やかな赤褐色もいいですが,雌の灰褐色の体に尾だけにさした赤い色というのも品があっていいですね。
雄も雌も翼に白斑があることから,紋付鳥の名があります。

秋に日本へ渡ってくる冬鳥です。
渡来したばかりの時期には,高い木の梢や,アンテナの上などにとまり,ヒーヒーと独特の声で鳴いています。

鳴くのは雄だけかと思っていましたが,雌も鳴くようです。
求愛のために鳴いているのではなく,縄張りを主張するために鳴いているので,雄も雌も関係なくそれぞれに縄張りを主張して鳴きます。
縄張り意識はかなり強いようです。

平凡社「世界大百科事典」(1988年)には,ジョウビタキについて次のように書いてありました。

スズメ目ヒタキ科の鳥。全長約15cm。雌雄異色。雄は頭頂部が銀灰色で,のどとほおは黒く,背は黒褐色で翼によく目だつ白斑がある。胸から腹にかけては鮮やかな赤褐色をしている。雌は全体的に灰褐色で,翼に白斑がある。

シベリア南東部,沿海州,中国北部などで繁殖し,冬季,日本,中国南部,台湾,東南アジアに渡る。日本には冬鳥として10,11月に全国各地に渡来する。おもに平地や山地の明るい林や耕地,市街地の公園にすむ。主食は昆虫類であるが,ウメモドキやサカキなど植物の実も食べる。

雄,雌がそれぞれ別々になわばりを構えて生活し群れになることはない。樹洞,岩の隙間,建物の隅などに営巣し,1腹5~6卵を産む。秋渡来したばかりのころには,人家のアンテナや電線の上などの目だつところに止まって,ヒッヒッとかカタカタとよく鳴き,この際おじざをするように頭を下げ尾を振る。翼にある白斑から,モンツキドリ(紋付鳥)の名がある。

  • [写真1]ジョウビタキ(雌)
    2008年12月20日撮影  »»拡大
  • [写真2]ジョウビタキ(雌)
    2008年12月20日撮影  »»拡大
  • [写真3]ジョウビタキ(雄)
    2008年3月12日撮影  »»拡大
  • [写真4]ジョウビタキ(雄)
    2008年3月12日撮影  »»拡大