• キキョウソウ
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道脇にヒナキキョウソウの花が咲いていました。[写真1]
すぐ近くには,6月上旬まで,よく似たキキョウソウの花が咲いていました。
キキョウソウの花と入れ替わるように,ヒナキキョウソウの花が咲き出しました。

ヒナキキョウソウもキキョウソウも,北アメリカ原産の外来植物です。
全国農村教育協会『日本帰化植物図鑑』(2001年)には,ヒナキキョウソウについて次のように書いてありました。

北アメリカ原産で南太平洋諸島などに帰化している一年生草本。茎は直立して余り分岐せず、高さ40 cmほどになる。葉は卵形で低い鋸歯があり、無柄で互生、基部はやや心臓形になるが茎を抱くことはない。春から夏にかけて葉腋に直径51mmほどの紫色の星形の花を一つずつ着ける。ただし、多くの花が閉鎖花となる。果実は上部に穴があいて種子を出す。1931年に横浜市で帰化が報告され、その後、関東地方以西で散発的に見いだされている。市街地の道端などに発生する。別名、ヒメダンダンギキョウ。

同じく,キキョウソウについては次のように書いてありました。

北アメリカ原産の一年生草本。茎は直立して下部でまばらに分岐し,高さ60 cmほどになる。葉は無柄の心臓形で下面有毛,縁には鋸歯があり,互生する。春から夏にかけて葉腋に数個の5深裂の花を着け,花は通常紅紫色で白色から濃紫色まで変異する。茎の下部には閉鎖花を着ける。古くは観賞用に栽培されたことがあるが,1940年代に東京で帰化状態にあることが確認された。現在では東北南部以南に広く分布し,道端,芝生などに普通に発生し,ときに畑地に侵入する。別名,ダンダンギキョウ。

ヒナキキョウソウとキキョウソウには,次のような違いがあります。

・キキョウソウにはダンダンキキョウの別名があるように,1本の茎に幾つもの花が段々になって咲きます。
 ヒナキキョウソウの花は,1本の茎の頂上に1個だけ咲きます。
[写真2]左がヒナキキョウソウ,右がキキョウソウ。

・ヒナキキョウソウの花は,手足を十分にのばして大の字になったような,開ききった感じになりますが,キキョウソウの方はすこしすぼまった感じです。
キキョウソウの方が,キキョウの花に似ています。
ヒナキキョウソウの花は色が似ているだけで,キキョウの花は連想しづらいですね。
(この場所の花を見ただけの感想なので,環境によっては少し違うかもしれません)

・ヒナキキョウソウの葉は,卵形で茎を抱くことはない。
 キキョウソウの葉は,心臓形で茎を抱く。
 [写真3]の左がヒナキキョウソウ,右がキキョウソウ。

・ヒナキキョソウの果実は上部に穴が開くが,キキョウソウは果実の中央付近に穴が開く。この穴から種がこぼれ落ちて,散布されます。
 [写真4]の左がヒナキキョウソウ,右がキキョウソウ。

  • [写真1]ヒナキキョウソウ
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  • [写真2]左:ヒナキキョウソウ
    右:キキョウソウ  »»拡大
  • [写真3]左:ヒナキキョウソウ
    右:キキョウソウ  »»拡大
  • [写真4]左:ヒナキキョウソウ
    右:キキョウソウ  »»拡大