動物園南の疎水に,カメが泳いでいました。
外来種のミシシッピアカミミガメです。
顔に,特徴的な赤色と黄色の模様があります。
耳が赤いので,アカミミガメの名がついています。
アカミミガメは16ほどの亜種に分けられるそうですが,日本でよく見られるのはミシシッピアカミミガメです。
子ガメは「ミドリガメ」の名前でペットとして売られています。
小さい時はかわいらしいのですが,かなり大きくなるので持て余してしまうことも多いようです。(なにせカメなので長生きします)
池や川に放された個体が,各地で繁殖しています。
このカメも,数年前までどこかの家庭でペットとして飼われていたのかもしれません。
1990年代半ばには1年間に100万匹のアカミミガメが輸入されていたそうなので,不法に放流されたものは相当の数にのぼると思います。
本種は外来生物法の規制対象になっていませんが,爬虫類を捨てる行為は動物愛護法に違反し違法です。
(財)自然環境研究センター『日本の外来生物』(2008年)には,アカミミガメについて次のように書いてありました。
大きさ 最大背甲長:雄20cm,雌28cm
分布 アメリカ合衆国から南アメリカ北西部原産。日本では,1950年代後半からふ化後間もない幼体が「ミドリガメ」の通称でペットとして輸入され,60年代後半から捨てられたり逃げ出したりしたものが野生化した。現在は全国各地で野生化し,定着も確認されている。
特徴 亜種ミシシッピアカミミガメなどの頭部の両脇に見られる赤い斑が和名の由来。赤い斑は,雄成体では不明瞭になることもある。皮膚は緑色で,黄色の縞模様をもつ。雄より雌のほうが大きくなる。最大体重2.5kgと,在来のイシガメよりも大型になる。湖沼やため池,河川の中下流域,公園の池,濠などに生息する。水質汚濁に強く,都市部の汚染された河川でも生存できる。魚類,両生類,甲殻類,水生昆虫,貝類,水鳥の死骸などを摂食するほか,水草や陸上植物なども食べる。成長するにつれて植物質をよく食べるようになる。温帯域での繁殖期は4~7月。1回に20個を超える卵を産む。飼育下では30年6か月生存した記録がある。