ベランダの柵にカエルが座っていました。[写真1]~[写真4]
近づくと,体を半分だけ外側へ移動させました。
[写真2]を見ると,体が半分,外へはみ出していますね。
少しは警戒しているようですが,逃げようとはしません。
全身緑色の特徴からして,シュレーゲルアオガエルだと思うのですが,大きさが合いません。
図鑑によると,シュレーゲルアオガエルは30~55mmとなっています。
このカエルは70mmほどあります。[写真4]
シュレーゲルアオガエルに似て,もう少し大きい種類となると,モリアオガエルです。
モリアオガエルの大きさは40~80mmとなっています。
虹彩の色は金色なので,シュレーゲルだと思うのですが,個体差もあるようなのでよくわかりません。
[写真5]は,3年前に隣家の庭にいたもの。
同じ種類だと思います。
山と渓谷社『日本のカエル』(2002年)には,シュレーゲルアオガエルについて次のように書いてありました。
〈シュレーゲル青蛙〉日本にすむアオガエルの代表種。見かける機会が多いわりに知られていないカエル。田植え前、ニホンアマガエルよりも少し早く鳴き出す。春早くは地中の巣内で鳴くため、姿をみつけにくい。昔はモリアオガエルと同一種と考えられていたこともある。確かに分布が重なった地域で,模様をもたないモリアオガエルがいれば即座に区別がしにくい。本種はあまり高い木には登らない。子ガエルはアマガエルと間違えられることもある。シュレーゲルとは,江戸時代にシーボルトの持ち帰つた標本を研究したオランダの学者の名前。
●大きさ 30~55mm。オスはひとまわりほど小さく,最大でも45mmほど。
●体の色 模様のない鮮やかな緑色。個体によつて背中に黄色の斑紋が現れるものもいる。体の色を変える能力が高く,褐色でいることも多い。
●すみか 平野から山地の湿地や田んぼなど。
●鳴き声 キリリリッ キリリリッと少し濁点の入つたような声で鳴く。
モリアオガエルについては,次のように書いてありました。
〈森青蛙〉日本固有の森林にすむアオガエル。しかしアオガエルの多くは,樹木のよく繁った環境にすむため,この特徴は本種に限つたものではない。
命名の理由は,より開けた環境を好む同属のシュレーグルアオガエルと比較してのものである。
本州産の力エルとしては,集団で泡(泡巣)に卵を産むという独特な繁殖行動をもつ。泡巣は10~ 15Cmほどの球状で,中には300~ 800個の卵が入つている。泡自体は無臭で,表面は乾燥しているが,内部には水分が保たれている。
繁殖期以外は人目につかないため,希少な種とされることもあるが,特に個体数が少ないわけではない。岩手県岩手郡の大揚沼(個体をふくむ)や福島県双葉郡の平伏沼は,繁殖地として国指定の天然記念物になつている。
●大きさ 40~80mm。メスの方が大きく,オスはふつう60mm以下のことが多い。
●体の色 個体差が激しく,全身緑色のものや,緑色の地色に黒や暗褐色の斑紋をもつものなどがいる。
●すみか 森林の林床や樹上。
●鳴き声 カラララ カラララ クックックッと連続して鳴く。