• マルバルコウソウ
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マルバルコウソウの花が咲いていました。
アサガオの仲間なので,ろうと型の花はよく似ています。

同じ熱帯アメリカ原産の「ルコウソウ」の葉が細いのに対し,本種の葉が丸いことから,「マルバ」の名がついています。

元々「ルコウソウ(縷紅草)」の「縷(る)」とは細い糸を意味し,葉が糸のように細いことからきています。
丸い葉の「ルコウソウ」とは,なにか矛盾しているような気がしますね。

熱帯アメリカ原産で,日本に渡来したのは1850年前後。
1850年前後といえば,黒船来航(1853年)の頃で,江戸時代末期にあたります。
現在は野生化し,トウモロコシ畑などに繁茂して収穫を妨げ,問題雑草となっているそうです。

『牧野新日本植物図鑑』(1970年)には,マルバルコウソウについて,次のように書いてありました。

熱帯アメリカ原産の一年生草で,以前は栽培されていたが,今ではほとんど野生に近くなっている。茎は長くのび左巻きで他物にまつわる。葉は互生し長い柄があり,心臓状円形で先はとがり, しばしば葉脚の両端は耳状になりとがったかどがある。夏から秋にかけて,葉腋に長い柄を出し,頂に黄紅色の花を3~ 5個開く。がく裂片は5個,長短不同で先端につめ状の突起をもつ。花冠の筒は長く,上部はひろがりほぼ五角形でごく小さい切れこみがある。雄しべは5本,雌しべは1本でわづかに花冠の外に出る。果実はさく果で丸く下に残存がくをつけている。

『日本帰化植物写真図鑑』全国農村教育協会(2001年)には,マルバルコウソウについて,次のように書いてありました。

熱帯アメリカの原産でアジアをはじめとする各地に帰化しているつる性の一年生草本。茎は無毛でよく分岐し、他物に絡みついて数mに伸びる。葉は短い柄をもち、互生し、葉身は先端の尖った卵形で低く粗い鋸歯を持ち、基部は角状に張り出すが、極めて変化が多い。夏から秋にかけて葉腋に花序を出し、直径2 cmほどの五角形で朱紅色の花を数個着ける。1850年前後に花卉として渡来したが、暖地を中心に野生化した。現在では北陸、北関東地方以南に分布し、飼料畑や果樹園、路傍で問題雑草となっている。