• キンキフキバッタ
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翅が小さいのでバッタの幼虫のように見えますが,翅が退化したフキバッタという種類です。
飛ぶことができないので,移動範囲も限られ,地域による変異が大きいそうです。

保育社『検索入門 セミ・バッタ』(1992年)を見ると,26種類ものフキバッタが載っています。
しかし,それぞれの分布地域は限られているので,分布域に京都が含まれている種類だけをひろい出すと,次の5種に絞り込めます。

・ダイリキフキバッタ
・キンキフキバッタ
・オマガリフキバッタ
・ヒョウノセンフキバッタ
・ハネナガフキバッタ。

この内,もっとも該当しそうなのはキンキフキバッタでした。
同書には,キンキフキバッタについて次のように書いてありました。

形・色 ♂24.7~ 27.8mm, ♀29.9~ 35.8mm。黄緑色。♂の黒側条は頭部と前胸背前部まで,♀ では前胸背側条が不明瞭。後腿節下面は赤色で, ♀は♂より鮮やか。♂の前胸背前縁にわずかなノッチがあるが,後縁は♂♀とも張り出している。前翅は短い卵形,第2腹節後縁に達するか,ややこえる程度。左右前翅は腹部背面でかろうじて接するか, または離れている。♂の腹部最後節は二分し, 1対の平板な突起がある。♂の尾端は他種に比べていくぶん太い。♂の尾毛は先端が曲がり,側面観は少し関節を曲げた人の中指状。
分布 本州(福井・岐阜・三重・滋賀・奈良・京都。大阪・兵庫)。琵琶湖をとりまく山地を中心に,西は加古川,東は長良川,北は岐阜・福井県境の越美山地,南は紀伊山地北縁まで産する。
生息地 低山地。
出現期 年1化。 7月下旬~10月上旬。
生態 林縁部の灌木やマント群落に生息。山間の大きな河原岸のクズ群落など,やや乾地,陽地を好む。