• タカノツメ
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黄色く色づいて山道に落ちていたタカノツメの葉。[写真1][写真2]
3枚の小葉からなる三出複葉はわかりやすい特徴です。

タカノツメの葉の特徴について,保育社『検索入門 樹木2』(1994年)には次のように書いてありました。

1.葉は短枝の先には集まってつく
2.小葉のへりにのぎ状の細きょ歯がある
3.下面の側脈のわきを除いて無毛
3枚の小葉はほぼ同形の長だ円形, 5~ 14× 2~ 6cm,先はやや急に細くなってとがる。側脈は5~ 8対,そのわきには淡褐色のややちぢれた毛がかたまってはえる。側小葉はしばしば頂小葉より小さく,基部が左右不同となり,小葉柄はごく短い。葉柄は3~ 15cm。温帯・暖帯の落葉小高木で,北海道南端以南に分布

・小葉のへりにのぎ状の細きょ歯がある
「のぎ状」の「のぎ」とは,稲・麦などイネ科植物の実についている針のような毛のことです。
小葉の縁はつるんとしてギザギザはないように見えますが,よく見ると刺のような鋸歯が確かにあります。[写真3]

・下面の側脈のわきを除いて無毛
逆にいうと,「下面の側脈のわき」には毛があるということです。
葉の裏面を確かめると,主脈と側脈が枝分かれするあたりに毛がありました。[写真4]
この毛は何のために生えているのでしょうか。(ダニ部屋?)

牧野新日本植物図鑑(1970年)には,タカノツメについて次のように書いてありました。

山地にはえる落葉小高木で,高さ3~5m位。幹は直立して分枝し,樹皮は平滑で灰色。 葉は互生し,長枝および短枝の先端部に集まってつき,葉柄は長く,3小葉の複葉であるが,短枝の基部の葉はしばしば単葉となる。小葉は楕円形で長さ5cmぐらい。両端は尖り,全縁,秋の終頃黄色くなる。夏に短枝の先に花軸を出し,上部は分枝して,枝先に球状の散形花序がつき,多数の黄緑色の小花が開く。花弁は5個,雄しべ5本,下位子房, 2裂した花柱がある。果実は小球形で熟すると黒くなる。〔日本名〕鷹の爪はこの木の冬芽の形に基ずくもので,芋の木という名前は材がイモの肉の様に柔かいためである。

タカノツメの名は,冬芽(とうが,ふゆめ)の形が鷹の爪に似ていることからきているようです。
[写真5]は,冬芽を指に見立てて並べたところ。
こう見ると,確かに鳥の爪のように見えますね。
タカに見えるか,ハトに見えるかは人によると思いますが。