• ハナショウブ
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色いろなところでハナショウブの花が咲いています。

[写真1]は南禅寺南陽院の門前に置いてある鉢植えのハナショウブ。
[写真6]は碧雲荘前庭のハナショウブ。

ハナショウブは原種であるノハナショウブの園芸品種です。
昔から改良がつづけられ,様々な花色があります。

『牧野新日本植物図鑑』(1970年)には,ハナショウブについて次のように書いてありました。

 水辺などしめった地に栽培する多年生草本。高さ60~80cm位で群生する。根茎は横向で多脚的にわかれて繁殖し,下にひげ根を出す。茎は緑色,円柱形で直立し,葉を2列的に互生する。葉は直立し剣状で多少青味を帯びた緑色を呈し,隆起した中脈を持つのが特徴。初夏葉間から出す1茎はときにまばらに枝を分ち,頂に直立した2鞘包があり,包間からつぼみを出し小柄のある美花を開く。大きいものは径15cmに達し,紫,白,絞り等の色がある。外花被片の舷部は広円形,基部の中央は黄色く,中脈並びに大小多数の脈がある。内花被片がなお大きくなるものが多い。雄しべは3本で花柱分枝の背面にあり,やくは外向きで黄色。花柱分枝の先端は全縁またはきざみのある2小片に分枝し,その下に柱頭がある。下位子房は狭長。さく果は長楕円体で3片に裂開,褐色の種子を出す。原種はノハナショウブといい山野の乾地にはえ,赤紫色の花を開く。全体細長く外花被片は楕円形,内花被片は小さなへら形で直立しているので区別できる。よくこれをハナガツミというのはまちがいである。 〔日本名〕花菖蒲で花の咲く菖蒲(さといも科)の意味である。

・葉は「隆起した中脈を持つのが特徴」[写真4]
カキツバタの葉の中央には突出した脈がないのに対し,ハナショウブの葉には隆起した中脈があります。

・外花被片は「舷部は広円形,基部の中央は黄色く,中脈並びに大小多数の脈がある」
外花被の基部はカキツバタが白く見えるのに対し,ハナショウブは黄色く見えます。[写真5]

・内花被片は「なお大きくなるものが多い」というのは,ノハナショウブの内花被片が「小さなヘラ形」であることとの比較でしょうか。