10月13日にアカタテハが2頭,羽化しました。
10月3日と10月4日に蛹化していたものです。
早く蛹化していた方が,前日から体をはげしく動かし続けていました。
殻を破ろうとしているのに破れなくて,もがいている感じです。
羽化できないのではないかと心配して見ていたところ,ふと気付くと,もう一頭の蛹の方が羽化し始めました。
[写真1]9:45
無事に羽化した姿が[写真3]です。
もがいていた蛹は疲れたのか,動くのをやめました。
このまま羽化に失敗しそうです。
ところが午後に見ると,何事もなかったかのように,この蛹も羽化しているではないですか。
[写真4]14:46
面白いことに,羽化した後もおしりを絶えず振っています。
[写真5]は,カラムシの葉についていた蛹便(ようべん)です。
蛹便とは,蛹だった間にたまった老廃物です。
羽化後,体外に排出されます。
アカタテハの蛹便は血のような赤茶色です。
[写真6]は,顔のアップ。
・前肢
タテハチョウ類の前肢は退化し,胸にくっついています。
肢が4本しかないように見えます。
・口吻
口吻(こうふん)は,羽化したてのときは2本に分かれています。
それを巻いたり伸ばしたり,繰り返しているうちに,1本のようにくっつきます。
・偽瞳孔
チョウのなかまには,複眼に瞳のような模様があるものがいます。
これを偽瞳孔(ぎどうこう)といい,死ぬと消えてしまいます。
・下唇髭(かしんしゅ)
チョウの鼻のように見える部分。
種類によって大きさは違いますが,アカタテハは割と目立ちますね。
[写真1]と[写真4]では,止まり方がすこし違います。
[写真4]は,腹部を翅のあいだにはさみ込み,体をできるだけ小さく見せようとしています。
木の葉に擬態しているのでしょうか。
2頭とも外に放してやると,秋の高い空に,元気に飛んでゆきました。