落ちていると,つい拾ってしまうクルミの実。
今まで食用にしようと思ったことはなかったのですが,たくさんあるので今回は中身を取り出して食べてみることにしました。

オニグルミは市販のセイヨウグルミとは違い,殻がとても硬くて,簡単に中身を取り出すことができません。
以前に紙袋に入れて電子レンジにかける方法でうまくいったことがあるのですが,今回はどうもうまくいきません。
ネットで調べてみると,たくさん処理する場合は鍋にいれて空煎りする方法がよいようです。

一晩水につけてから空煎りすると,つぎつぎにピシッと音を立てて,縫合線に沿ってすこし口を開きます。[写真5]
隙間にナイフを当てて力を入れると,きれいに二つに割れました。
それでも中身はポロリと取れるわけではなく,竹串で中身を地道にほじくり出さなければなりません。

60個分の中身が[写真9]です。
労力の割には収穫は少なく,オニグルミの実が市販されていないのもうなずけます。
食べてみると,普通にクルミの味がしました。
野生のものだから特別に味が濃い,というほどでもないようです。

普通の実は1本の縫合線で2分割されているのですが,3分割されているものが2個ありました。[写真6]
3分割された殻を割った中身が[写真7]です。

[写真8]は,たまたま小ぶりの実で内部の凹みが浅かったために,きれいに中身がとれたものです。
表面は薄い種皮で覆われています。
これが種子で,外側の硬い殻は核と呼ばれる,内果皮です。[写真4]
クルミは,モモなどと同じように,内果皮が木質化して堅くなり,中に1種子を含みます。[写真3]
核果(かくか)といわれるものです。

[写真10]は,殻を横に切断した断面。
殻の内部は空洞になっています。
それで水に浮くのですね。