家人が捕まえたクモ。
家の中の壁をはっていたそうです。
アシダカグモかと思いましたが,図鑑を調べると体の模様が違います。
アシダカグモのなかまのコアシダカグモでした。
アシダカグモに似ていて,それより少し小さいので,小アシダカグモ?

小野展嗣編著『日本産クモ類』(2009年)には,コアシダカグモについて次のように書いてありました。

体長雌18~25mm,雄15~20mm。本属中最大の1種。体は淡赤褐色ないし黒褐色。アシダカグモHeteropoda venatoriaとしばしば混同されるが,雌の額に顕著な白線がなく,雄では背甲の色彩が一様なので区別がつく。雄触肢脛節の突起は脛節の中央部から生じ,非常によく発達し,腹面部,背面部ともに指状。外雌器の両翼は中央で癒合し,1対の溝を伴った斜めの切れ込みがある。本州,四国,九州の比較的自然の保たれた林に生息し,中国からも記録がある。渓流の岩の間,洞窟の入り口付近やトンネルなどでも見つかり,人家や寺社などの暗所にも侵入するが,本来は野外に生活する種である。卵嚢は岩壁などに付着させ,持ち歩かない。

この個体の体長は,約20mm。
触肢の先が細いので雌です。[写真3]
腹部には外雌器があります。[写真5]
外雌器の両翼は中央で癒合し,1対の溝を伴った斜めの切れ込みがある」とありますが,毛に覆われていて,形状がよくわかりません。

眼は2列で,ほぼ同じ大きさですが,前中眼は前側眼よりやや小さいです。[写真4]

人家や寺社などの暗所にも侵入するが,本来は野外に生活する種である。
アシダカグモが主に人家に棲息するのと異なります。

また「卵嚢は岩壁などに付着させ,持ち歩かない」というのも,アシダカグモとの対比で,アシダカグモの雌は「夏季に白い円盤状の卵嚢を造り,持ち歩」きます。