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[写真1]スジクワガタ
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[写真2]ノコギリクワガタ
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[写真3]
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[写真4]スジクワガタ(背面)
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[写真5]スジクワガタ(腹面)
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[写真6]スジクワガタ
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[写真7]スジクワガタの大顎
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[写真8]ノコギリクワガタ
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[写真9]ノコギリクワガタの大顎
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[写真10]ノコギリクワガタの大顎
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[写真11]ノコギリクワガタの大顎
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[写真12]ノコギリクワガタの眼縁突起
何を怒っているのか,道の真ん中で,大顎を振りあげて威嚇するスジクワガタ。[写真1]
小型のクワガタですが,なかなか堂々とした姿です。
すこし行くと,今度はノコギリクワガタの頭部だけが落ちていました。[写真2]
アリがたかっています。
胴体部分は鳥に食べられたようです。
弓なりにカーブした大顎は大きくて立派で,まさしく兜の鍬形を連想させます。
しかし,天敵に襲われたのは,この立派な大顎が災いしたのかもしれません。
カブトムシは大きな角をしたものほど鳥などの天敵に狙われやすいという研究結果が,以前に発表されています。
その論法でゆくと,クワガタも大顎が大きいほど天敵に狙われやすいことになります。
二つを並べてみると,ずいぶん大きさが違いますね。[写真3]
大きい方が生存に有利とは限りません。
この大きさの違いも,それぞれの種が生き抜くための戦略なのでしょう。
北隆館『新訂原色昆虫大図鑑 第2巻』(2007年)には,ノコギリクワガタの大顎について,次のように書いてありました。
♂の大顎の長さと型とは体長にしたがって変わり,その型には(a)の大歯型,(b)の中間型,(c,d)の小歯型の3型があり,大顎を除いた体長が34mm以上の個体では大歯型に,32mm以下のものは小歯型に,その間のものは中間型をあらわす。この中間型をしめすものの体長の変異の幅が狭いのに,個体数が割に多いのは,この型の体長がこの種類の体長の変異曲線の山にあたるためであると考えられる。また,この♂の大顎は小形のものでは下方に曲がらないが,中間型ではやや,大歯型では強く基部近くで下方に響曲する。したがって大顎の先の方の高さが低いので,この虫の♂が威嚇する時は細長い前脚を立てて大顎を上にもちあげている。
[写真11]は,今回のノコギリクワガタを横から見たところ。
かなり下方へ湾曲しています。
大歯型といわれるもののようです。
しかし,こんなに湾曲していたら,普通に歩くのにも,常に頭を持ち上げていなければならないのではないでしょうか。
[写真12]は,ノコギリクワガタの眼縁突起。
眼の前半分を縁取っています。
(2015年8月9日追記)
当初,「スジクワガタ」を「コクワガタ」としていましたが,ご指摘により「スジクワガタ」に修正しました。コクワガタは大顎の内歯の突起が1つですが,スジクワガタは内歯に2つの突起があります。後日両種を比較してみたいと思います。