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[写真1]側面
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[写真2]背面
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[写真3]腹面
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[写真4]側面
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[写真5]背面
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[写真6]背面
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[写真7]腹面
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[写真8]翅(上面)
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[写真9]翅(下面)
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[写真10]触角
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[写真11]腹端(背面)
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[写真12]腹端(腹面)
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[写真13]頭部
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[写真14]脚
建物の壁に,変なガがとまっていました。
翅は一見しわくちゃで,凸凹しているように見えます。
前翅と後翅の重なり具合で,翅の見た目を変えているようです。
[写真2]と[写真5]では翅の形が違って見えます。
図鑑をめくって調べてみましたが,該当しそうなものは見つかりませんでした。
図鑑に載っている写真は翅をひろげた状態のものなので,翅を閉じている時の姿とは全く異なります。
やはり展翅しないと,同定は無理なようです。
簡易な展翅をしてみました。
[写真6]が背側,[写真7]が腹側。
前翅長17mm,後翅に鮮やかな黄色斑があります。
この姿で図鑑を調べてみると,すぐにわかりました。
ホシヒメホウジャク,スズメガのなかまです。
北隆館『新訂原色昆虫大図鑑1』(2007年)には,ホシヒメホウジャクについて次のように書いてありました。
触角の背面は黒褐色,糸状で末端部は膨大しない。下唇鬚は橙色を帯びる。複眼の上縁に鱗片塊がある。胸脚の脛節は棘列を有し,後胸脚の距は2対。本種は他の日本産のホウジャク類に比較すると,小形で,前翅の後縁及び後翅の前縁は著しく湾曲し,前翅の中室端に淡色紋があるので容易に区別される。又種子島・屋久島から近似種ヒメホウジャク Neogurelca Walker が知られるが,ヒメホウジャクは後翅の外縁に沿う黒色帯は大体等幅であるので見分けられる。裏面は前翅赤褐色,外縁等に褐色斑があり,後翅も赤褐色,後角部は黄色を呈し,外縁に沿う部分は褐色。前翅長:17~18mm。
成虫態で越年するため殆んど1年中その姿を見る。昼間飛翔し花を訪れる。幼虫の食草はヘクソカズラ。
・触角の背面は黒褐色,糸状で末端部は膨大しない
……[写真10]
・下唇鬚は橙色を帯びる
……[写真13]
・複眼の上縁に鱗片塊がある
[写真13]を見ても「鱗片塊」がどこをさすのか,よくわかりません。
・胸脚の脛節は棘列を有し
……[写真13]
・後胸脚の距は2対
……[写真14]
・前翅の後縁及び後翅の前縁は著しく湾曲し
……[写真8]
・前翅の中室端に淡色紋がある
[写真8]はかなり鱗粉がとれているので判然としませんが,[写真2]を見ると中室端に淡色紋があります。
・裏面は前翅赤褐色,外縁等に褐色斑があり,後翅も赤褐色,後角部は黄色を呈し,外縁に沿う部分は褐色
……[写真9]
全国に広く生息する普通種だそうです。
「昼間飛翔し花を訪れる」ので,花のまわりを飛んでいる姿は見たことがあるのかもしれません。