珍しく,ウグイスが鳴いている姿をとらえることができました。
声はすれど,茂みから茂みへ姿を隠しながら移動するので,全身の姿を見ることはめったにありません。
今の季節,雌を求めて,勇気を出して高いところからさえずっているのでしょう。

体はいわゆるウグイス色ではなく,灰色っぽい茶色をしています。
ウグイス色をしているのはメジロです。[写真6]

「ホーホケキョ」という鳴き声が,後半こちらを見てから,「ケ・ケ・ケ・ケ・ケ・ケ・ケキョ・ケキョケキョ……」という鳴き方に変わっています。
この鳴声が「ウグイスの谷渡り」と呼ばれているものです。
警戒の意味があるとか。
『山渓カラー名鑑 日本の野鳥』(1996年)には,次のように書いてありました。

繁殖期には rヒィーホケキョ」「ホーホケキョ」「ホーホホホホケキョ」など,鳴き始めに高低のある声でさえずる。また,谷渡りと呼ばれる「ケキョ,ケキョケキョ」と長く続く声も出す。これは警戒の意味があるように思われる。どちらの声も個体によって,また地方によって少しずつ音色が違うという。地鳴きは笹鳴きと呼ばれる「チャッチャッチャッ」という声である。

「ケキョ,ケキョケキョ……」と長く鳴き続けた最後に,「ホーホケキョ」と鳴いて締めることが多いように思います。

別の日のウグイス

鳴き声つながりということで,トラツグミの鳴き声をおさめた動画です。
撮影日時:2016年3月26日6:37(鳥の姿が写っていないので,アップする機会がありませんでした。)

以前から,口笛のような鳥の鳴き声が気になっていました。
朝早く家を出ると,どこからともなく「フィー,フィー」と口笛のような鳥の鳴き声が聞こえてくることがあるのです。
方向感のない,不思議な鳴き声です。
夜明け前に目が覚めたときなどにも,遠くで鳴いているのがわかります。
静かな夜に,ひと際さみしそうに響いています。

ネットで「口笛のような鳥の鳴き声」で検索すると,何種類かの鳥がヒットしました。
口笛のような鳴き声で一番有名な鳥は,ウソのようです(「ウソ」という名前自体が口笛の事をさす「オソ」が転じたものだとか)。
しかし聞くと,ウソの鳴声とは異なります。
次の候補のトラツグミは,夜に不気味な声で鳴き,伝説の怪物「鵺(ぬえ)」の正体だとされている鳥です。
聞いてみると,このトラツグミの鳴声でした。
朝方,樹間にこだましている声は,不気味というより,爽やかな印象をうけるのですが。

しかし,動画の声を聞いていると,たしかにさびしげな鳴き声です。
夜に聞くと,すこし不気味かもしれません。